内容説明
儒教は、統治の基礎を個人の知的修養にもとづく秩序正しい家庭に置いていたため、近代に至るまで、為政者によって盛んに利用されてきた。それゆえ、個人を犠牲にし、家族よりも国家を優先させられた不幸な事例も多い。しかし、儒教は、同時に自然に根ざした人生の指針をわれわれに提示している。本書は、あまたある古典中の逸話を引きながら、矛盾に満ちた現実社会で生き抜く知恵を紹介するものである。
目次
序章 歴史から何を学ぶか
第1章 社会と家族
第2章 結婚と離婚
第3章 原則と例外
第4章 理性と感情
第5章 生と死
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
isao_key
8
儒教を通じて古代中国人の考え方や行動を考察する。儒教では孝が最優先され、『史記』菅晏列伝に、「私は三たび戦争に行ってそのつど逃げ出したが、鮑叔は私のことを決して卑怯者だと言わなかった。私に年老いた母のいることを知っていたからだ」とあり、戦争中においても老母を養う家族の問題が認められているのは、戦争という国家レベルの問題よりも家族の方が優先していることに他ならないと述べる。また儒教は後継者のいないことを最大の不幸と考え、子孫の繁栄を期したために「色を好む」ことにはことさら寛大であった、とあるが現代も同じか。2016/06/21
りきゅう
0
いまいち自分のこととして捉えきれずに読み終えてしまった・・・ 機会があれば再読したいです。2013/05/25