中公新書<br> テロ―現代暴力論

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中公新書
テロ―現代暴力論

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  • サイズ 新書判/ページ数 218p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121016393
  • NDC分類 316.4
  • Cコード C1231

内容説明

国際社会への暴力的な示威・脅迫行為である現代テロは、一九六八年のイスラエル航空機ハイジャック事件によって幕を開けた。冷戦時代は東西の代理戦争的側面を持っていたテロだが、冷戦終結後、かえって規模が拡大し、手段も過激化している。一般市民を巻き込む非常識的な方法で世界観の対立を表現してきたテロ。その事例から学べることは何か。現実のものとなりつつあるメガデス・テロを防ぐための要点を示す。年表つき。

目次

序章 「目的なきテロ」の時代
第1章 テロとは何か
第2章 現代テロの始まり―一九六八年
第3章 現代テロの衰退
第4章 イスラム・テロの勃興
第5章 冷戦後のテロ―ポストモダン・テロの登場
第6章 二一世紀のテロ

著者等紹介

加藤朗[カトウアキラ]
1951年(昭和26年)、鳥取県米子市に生まれる。早稲田大学政治経済学部政治学科卒業。同大学院政治研究科国際政治修士課程修了。防衛研究所助手、桜美林大学国際学部助教授を経て、現在、同大学教授。専門は国際政治、紛争・平和研究
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

白義

22
冒頭からテロの定義の難しさに触れながら、テロとは暴力を用いた行動による宣伝であるという視点でテロの歴史と理論をまとめた良い入門書。1968年を起点に、左翼テロから原理主義テロまでその変遷と繋がりを簡潔にまとめながら、主権国民国家の歴史や冷戦構造の崩壊とも絡めて現代のテロリズムの特徴を分析していて、明確さと広い視野が両立している。冷戦後のテロは価値観の多様化が生み出した反動としての個々の世界観の暴走が主因としていて、他者への衝撃を狙うその構造から大規模破壊テロも誘発しやすいと暗い分析2015/02/24

jj

6
2002年刊。(9.11同時多発テロの時期)1968年以降テロの歴史的変遷を国際政治の中における世界観を対立軸として、多くの事例をもとに分かり易く簡潔に語られた内容。テロの歴史および対テロ安全保障を知るうえで参考となる著。所謂自爆テロ、化学テロ第1号が日本人という事を初めて知った。(日本赤軍、オウム真理教。)特に地下鉄サリン事件は国内より海外で安全保障・対テロ対策として研究が進んでいるという。2017/04/30

がくちゃびん

4
60年代以降に実行されたテロをまとめ、それらの目的や世界に与えた影響を論じた良書。テロとは行動による宣伝であり、特にテレビネットワークやインターネットで世界中の人が「観客」として事件を目撃できるようになってから、テロの過激化への懸念で本書は結ばれているが、まさしく現在、ISISがYouTubeやTwitterを効果的に使って暴力的プロパガンダを効率的に広めていることは注視すべきだろう。なぜテロが起きるのか、冷戦以前と以後でどのように変遷してきたのかを理解するのに非常に優れた良書だった。2015/02/20

ドウ

3
9.11を踏まえて、「テロ」の定義の難しさや、1968年(=現代テロが始まった年)以降のテロの性質を年代ごとに論じている本。日本赤軍(中東の自爆テロの起源)やオウム(地下鉄サリン事件で世界初のバイオテロを実行)が、テロの倫理的制約を乗り越えたという主張が衝撃的だった(実際その通りだと思う)。ダーイシュのテロはここで類型化されているものの複合体かなという感じがした。2015/02/23

おらひらお

3
2002年初版。テロの歴史を簡単に振り返りつつ、今後の対策を提言する内容。テロの歴史の画期に日本が関連していることを知る。また、自爆テロは非人道的であるが、軍事的には合理的であるとの指摘も興味深い。2011/09/10

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