中公新書<br> 結核という文化―病の比較文化史

中公新書
結核という文化―病の比較文化史

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  • サイズ 新書判/ページ数 269p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121016157
  • NDC分類 493.89
  • Cコード C1220

内容説明

結核は人類の歴史とともに古くから存在し、新旧両大陸で痕跡が見つかっている。その古い病気が、突然一九世紀から二〇世紀前半を代表する病となった。貧困の中の悲惨な死という現実とは対照的な、佳人薄命を尊ぶロマン化現象、天才芸術家の宿命という伝説、療養所を舞台とするサナトリウム文学などの登場が、その時代の文化を色どっている。古今東西の実例を紹介しつつ、病からみた斬新な文化史の構築を試みる。

目次

1 病の運命―三つのエピソードから
2 西洋の結核の歴史―古代から中世へ
3 中国と日本の結核の記録
4 近代の結核療法の登場
5 細菌学の時代
6 近代化と産業革命・殖産興業
7 肺病のロマン化
8 サナトリウムという新しい舞台
9 結核患者の群像
10 結核は過去の病気ではない

著者等紹介

福田真人[フクダマヒト]
京都市に生まれる。京都大学工学部卒業、東京大学大学院総合文化研究科(比較文学比較文化)修了。オックスフォード大学ウェルカム医学史研究所、ハーバード大学客員研究員、デリー大学客員教授等を経て、現在、名古屋大学大学院国際言語文化研究科教授、学術博士
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感想・レビュー

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ローリングエルボー

1
よく調べてある。ただ論文に使えるかどうかわからない。2017/10/01

こずえ

0
結核についてざっくりとした理解をするのにいいとおもう

siomin

0
古今東西を問わず流行し、人を死に至らしめた結核。それゆえ、結核および結核患者に美やロマンを抱く風潮があり、絵画や小説に残されている。結核の歴史とともに、そこから派生する文化について述べている。 日本でも欧州でも結核へのロマンがあったことなど興味深いけど、話がよく脱線したり、同じ話題を繰り返したり、我田引水な見立て(陸奥宗光と小村寿太郎が共に結核で死んだことに意味を見出すのは無理があると思う)があるので、減点材料も多いのが残念。 2015/01/12

Akihiro Nishio

0
結核は、1882年にコッホによって結核菌が発見されるものの、1944年にストレプトマイシンが発明されるまで、有効な治療法がなく、さまざまな怪しげな治療が行われてきたというのが定説であるが、ロンドンの死亡統計を詳細にみると、結核による死亡率は1780年ごろをピークに、1944年までに10分の1まで低下しているという指摘は目から鱗であった。2012/05/22

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