中公新書
公共事業の正しい考え方―財政赤字の病理

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  • サイズ 新書判/ページ数 209p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121015860
  • NDC分類 510.921
  • Cコード C1233

内容説明

公共事業の拡大とそれを支える財政上・政治上の構図によって、日本の財政は危機的状況に追い込まれた。政府全体での借金総額は六六六兆円にのぼり、GDPを超える規模に達している。本書は、公共事業の実状を紹介しつつ、景気対策としての有効性と社会資本としての生産性という視点から評価を試みる。受益と負担の乖離、既得権が維持される政治経済学的要因などを検討し、健全な財政運営へのパースペクティヴを明示する。

目次

第1章 財政危機と財政赤字
第2章 日本の財政構造
第3章 公共投資の評価
第4章 公共投資の決定要因
第5章 公共投資の改革
第6章 日本の財政改革

著者等紹介

井堀利宏[イホリトシヒロ]
1952年岡山県生まれ、東京大学経済学部卒業。1981年、ジョンズ・ホプキンス大学大学院経済学博士課程修了(Ph.D.取得)。東京都立大学経済学部助教授、大阪大学経済学部助教授、東京大学経済学部助教授、同教授を経て、1997年、東京大学大学院経済研究科教授、現在に至る
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

101
井堀先生の本は神野先生の本よりももっと理論的な感じがします。本当に公共投資が効果あるものなのか、私自身考えているのですがあまり明確な答えは見つかりません。ただやはり地方としては便益性がプラスされるのだからいいのでしょうがその投資部分がすべて地方に回るかというと可能性はわかりません。ただやはりこのような公共投資というのは負担する側と受益者側とが一致していないので不満が出たり無責任になるという可能性もあるのでしょう。2015/10/28

Kazuhiro Kurimoto

3
学生時代に読んだ本。今になっても、財政赤字は改善されるどころか、悪化の一途をたどっている。ガラガラポンが起きない限り、どうにもならんような気がする。国に期待せず、自立した個人として生きていこうと思う。2012/05/04

たか

2
この本ではいかにして公共事業の価値を測るか、今流行りの地方分権、財政赤字解消に向けて何をすべきかが書かれている。 この本の出版は約10年前の2001年だが、ここに書かれている問題は今も続いているように思う。 GDPの計算式に政府支出が含まれてるから穴掘って埋める公共事業でも効果があるように見えるがもちろんそんなことはない。特に乗数効果の小ささを説明した部分の「公債の中立命題」という概念は大事だと思う。非常にためになった。2012/05/12

中島直人

2
公共事業に関する論点を分かり易く語ってくれる。景気低迷に伴う歴史的な低金利と、国際購入しか考えつかない無能な邦銀に助けられ破綻の時が伸びているだけ。危機的な状況は何ら変わっていない。にしても、この本が書かれた10年前と今を比べても、解かれていることは全く変わっていない。進歩の無さに悲しくなる。。。2011/12/15

夕陽に別れを告げて

0
20年ほど以前の刊行につき相当に情報が古く、今さらマッチしないことも散見されるが、その後も財政規律の悪化と赤字が続く現在において、筆者の見立ての多くが尚通用している。公共事業を中心に据えた受益と負担の関係を通じて中央・地方政府の財政を非常にわかりやすく論じる構成は、研究者が著す新書の見本のようなスタイルだと思う。2023/04/20

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