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中公新書
福祉国家の闘い―スウェーデンからの教訓

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  • サイズ 新書判/ページ数 186p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121015754
  • NDC分類 364
  • Cコード C1236

内容説明

福祉の肥大化と官僚化がエスカレートし、試練にさらされる「モデル国家」スウェーデン。経済の停滞を契機として、福祉政策の行き詰まりが顕著となってきた。少子高齢化や家庭の崩壊といった社会問題も深刻だ。だが、日本型福祉の今後を模索するうえでスウェーデンの試行錯誤は大いに参考となる。この国が実現した平等と豊かさから学ぶべき点も少なくない。これまで語られなかったスウェーデンの実像に迫るレポート。

目次

第1章 スウェーデン人における人間の研究―日本人との相似と違い(無口な人々;強烈な個人主義; ほか)
第2章 福祉社会の裏側―その光と影(福祉国家の素顔;福祉の行き詰まり ほか)
第3章 北欧に王国ありて―中立外交180年(ナポレオン麾下の将軍、スウェーデン国王となる;開かれた王家の人々 ほか)
第4章 モデル国家の裏通り―青ざめた花々(自殺の問題;スウェーデン式犯罪―浜の真砂は尽きるとも ほか)

著者等紹介

武田龍夫[タケダタツオ]
1928年(昭和3年)、北海道に生まれる。中央大学法学部卒業。ストックホルム大学留学後、在スウェーデン大使館、外務省北欧担当官、在デンマーク大使館、宮内庁式部官、イスタンブール総領事、東海大学教授などを経て、現在、北欧文化協会理事。著書に『白夜の国ぐに』(中公新書)。『宮中物語』(中公文庫)。『物語北欧の歴史』(中公新書)。『北欧』(中央公論新社)。『北欧の外交』(東海大学出版会)。ほか多数
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

プータン

5
スウェーデン大好きな著者だが、割と暗部をクローズアップして書いている。日本人から見ると北欧は遠い他国のように見えるが、勿論実際はそうでないことが分かる。「福祉について徹底的に法定しなければならない国」とは、裏返せば個人主義が貫徹した国なのだと実感した。昔に帰れという懐古主義をもてはやす訳ではないが、日本に集団意識があることが福祉面においては利点だと思った。2013/04/20

脳疣沼

3
著者の偏見のようにも見えるが、どうせ北欧礼賛の言説しかない日本である、こういう本は必要だろう。本書では文化、歴史的経緯の違いを無視して社会政策を行うことの愚を説いているが、その通りであり、仮に行う場合でも、その副作用の方に目を向けてこそ、改革も成功するというものだろう。中立外交だって、日本人の一部にあるような、9条を抱えて国際社会から離れていれば上手く行くなんていう甘いものではない。もちろん、だから改革はするなということではない。社会保障はスウェーデンに近づけるべきだろうが、礼賛だけでは駄目だろう。2017/03/10

Hayato

3
良いイメージで語られるスウェーデンの「陰」の部分を見せつけられた。家族の崩壊、低くない自殺率、そして、酒好きで寡黙な国民。「日本もスウェーデンのようになるべき」と考える前に、その国民性、地理、歴史を比較して、一歩立ち止まらなければならない。今後、現行の福祉体制が崩壊していく中で、スウェーデンのコピーではなく、参考にした上で、どうしていかなければいけないのかを考えるときに必須になるであろう一冊。良いタイミングで読めた。2016/01/27

孤独な読書人

3
スウェーデンといえば日本がお手本にすべき理想の福祉国家という言説がよくメディアによって喧伝されていたが、それは少し違うのではないかということ書いたまっとうな本。日本では右派も左派もどこかにユートピアがあると考えユートピア探しに躍起になることがある。左派は外国に、右派は日本の歴史にそのようなユートピアを探そうとする。しかしそんなユートピアはどこにもないのだから、そんなユートピア探しは好い加減やめた方がいいような気がする。ちなみにこの本はかなり前に書かれた本なので、現在のスウェーデンを知るには適当な本ではない2012/04/17

たま

2
20年ほど前のスウェーデンの社会情勢、福祉を中心に。恐ろしく現在の日本に似通う。少子化、自殺、高齢者への暴行、人種差別、税負担(日本は赤字国債で負債の先延ばしをしている)。「福祉は大変なコストを必要とすることと、それは費用拡大の自律運動をやめないということだ。したがって経済成長がなければ福祉は維持できなくなるのは当然となる。」資本主義の競争原理と社会主義の分配原理の比重。2019/12/21

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