中公新書
アンデスの黄金―クントゥル・ワシの神殿発掘記

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  • サイズ 新書判/ページ数 276p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121015358
  • NDC分類 268
  • Cコード C1222

内容説明

ペルー山中で紀元前のアンデス文明の神殿を発掘中、黄金の副葬品が次々と出土した。しかしその保管をめぐり地元住民や中央官庁の思惑が衝突、調査団も「金を日本に持ち去ろうとしている」とあらぬ疑いをかけられてしまう。調査団は遺跡の麓に出土品を管理する博物館を建てることを提案、調査と並行して準備に奔走する。はるか南米の村で十年以上にわたって発掘を行い、博物館建設にまでこぎつけた新しい試みの顛末記。

目次

第1章 セロ・ブランコへの道
第2章 クントゥル・ワシ発掘の開始―1988年
第3章 黄金発見
第4章 クントゥル・ワシ脱出
第5章 博物館の建設
第6章 村人が講師になった
第7章 新たな黄金墓の発見
第8章 みえてきた最古の神殿
第9章 よみがえる神殿

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

翔亀

37
【始原へ25】<東大アンデス隊1>先インカ帝国の考古学は泉靖一らによる1958年の第1回の調査団以来(「インカ帝国」1959年【始原へ22】)、東大文化人類学研究室が何十年にわたり発掘を続けており、その成果については多くの報告書が出ている。何冊か読んでみよう。■まず本書は、1985年から1999年にかけて行われた調査団の団長を務めた著者の発掘記。クントゥル・ワシ神殿遺跡の発掘では、想定外の墓が見つかり、アメリカ大陸最古の黄金の副葬品が出土して有名なった。紀元前800~500年頃のものとされる。じつは、↓2021/07/11

wei xian tiang

4
発掘に協力的だった善良な村人が,ある日突然ペルー共産党に殺され不帰の人となる。共産党(センデロ・ルミノソ)が国土の少なからぬ部分を恐怖支配し,非党員の処刑と無差別テロを繰り広げ,幹線道路は寸断され,リマ陥落の可能性さえ囁かれる。90年代の発掘時期はペルーが失敗国家の本当に瀬戸際だった時期に重なる。まだ残党の掃蕩は続いているが,よく持ち直したものだと思う。奴等が勢力を獲得し,保持し得た秘訣は初等教育機関への浸透・拠点化だという。中核・革マル両派が教員浸透に注力するのも同じであり,警戒を怠ってはならない。2015/05/08

ぐま〜

0
発掘作業ってただ遺跡の事だけを考えてひたすら発掘する…とっても楽しい仕事だと思っていたのですが、地元や政府との関係、利害との折り合いなどいろいろ煩雑で悩ましい事が多い事に驚きました。良く考えれば当たり前の事ですが…。歴史が好きなのでこの発掘のような貴重な発見がこれからもたくさんあると嬉しいです。2013/12/10

Kudo Atsushi

0
発掘作業中に起こる村民や行政、警察、政府とのやり取り、出来事が知られる。良いことも悪いことも。2021/07/01

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