中公新書<br> 瀬戸内海の発見―意味の風景から視覚の風景へ

中公新書
瀬戸内海の発見―意味の風景から視覚の風景へ

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  • サイズ 新書判/ページ数 263p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121014665
  • NDC分類 291.74
  • Cコード C1225

内容説明

明治後期、日本人の眼に映る風景は大きく変化した。それは、山や海や都市そのものが変化したというよりも、見えるものをどう認識するかが変化したのである。日本の伝統的風景とは、歌枕の地や故事・伝説に由来する名所旧跡そのものであった。それを、欧米人の客観的で科学的な視線の影響で、自然景や人文景といった近代的風景として見るようになったのである。本書は瀬戸内海を素材に、日本人の景観認識の変化を辿るものである。

目次

第1章 瀬戸内海の風景紀行
第2章 異人たちの瀬戸内海
第3章 欧米人が見た風景
第4章 日本人の伝統的風景
第5章 近代的風景の発見
第6章 国立公園の誕生
第7章 環境の破壊と保全

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Sakie

15
近代初頭、来日した西洋人たちは瀬戸内海を絶賛した。なかでも瀬戸内海を航行する船の上から見える景色を称賛したという。陸路より海路のほうが発達が早かった。波が穏やかなだけでなく、大小の島々、潮の流れる瀬戸、港町、段々畑、小舟が移ろいゆくのを船上から「動く風景」として愛でた。だから初まりは陸からの展望景や山上からの俯瞰景ではなかったのだ。『すべて島々の海中に浮てみゆるは、盆に水を湛へておもしろき石どもを入れをける如くにて』とは日本人の評だが、京都の石庭に通じるものがある。それが自ら動いたらそれは興深かろう。2022/11/26

あんこ

0
同じ論旨を行きつ戻りつ。そして肝心の「風土性」はあいまいにして流すだけ。資料は膨大に読み込んでてすごいなぁ、と思ったけど…2011/11/03

焙烙

0
外国人と日本人、それぞれの視点から瀬戸内海の風景の見え方の変遷を膨大な資料から分析しており、瀬戸内海とは?という疑問には答えてくれる。しかし、人々の生活の変化によって生じる景観の変化も、それはそれで認めるべきではないか。2020/10/30

Takaya Fukuchi

0
瀬戸内海を通した日本人の風景の捉え方の変遷がよくわかる。この概念をどうやったら未来に活かしていけるか、、2018/11/06

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