内容説明
多くの日本人には韓国人が今なお日本を怨嗟の目で見つめているかのような思いがある。しかし解放後の韓国においては、隣国に対する愛よりは憎悪の表出の方が容易であったのは事実であるが、このことはもう一つの感情や態度の存在を否定するものではない。本書は韓国人の日本に対する否定的な眺めや肯定的な眺めが韓国人の心の中にどのように共存し、どのように変化しているのかを多様な引用とともに明らかにしようとするものである。
目次
序章 日本とは何か
第1章 世論調査の結果
第2章 世代の裂け目
第3章 眺め合いの軌跡
第4章 蔑視と懐疑
第5章 もう一つの眺め
第6章 敬意と賞賛
終章 反日主義のゆくえ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おらひらお
6
1998年初版。韓国から見た日本のイメージ論です。国家はある段階でナショナリズムの高揚が必要なんでしょうが、実際に日本を知らずに反日教育のみで育った人たちは逆にかわいそうな気もしますね。2013/08/19
ぽん教授(非実在系)
3
現代韓国人から見た日本のイメージがどのようなものかを概観した内容。基本的には否定的なイメージばかりだが著者はその中でも肯定的なものも多く紹介している。 安江良介や大江健三郎などの進歩派知識人が韓国の反日主義を甘やかしてるせいで日韓両国民は不幸なことになるとこの時点で書いているが、著者の予想は見事に当たってしまったと言って良い。2014/11/12
ユキ@うろちょろ
2
韓国人から見た日本。各人の論や記事を紹介しながら、各世代の日本に対するイメージがどのように形成されたかを探る。 否定的なものだけでなく、肯定的なもの、韓国人の懐疑主義やナショナリズムにも言及している。 日韓に存在する愛憎入り交じった、アンビバレントな感情についても述べていて興味深かった。 ただ発行が1998年とやや古い。と思ったら新版もちゃんと出ていた。2012/10/05