内容説明
20世紀世界システムを基本づける国民国家が、企業のグローバルな活動と情報システムの発展によって内部から揺らいでいる。日本の動揺はとりわけ大きく、課題は重い。グローバリズムにいかに対応すべきか。日米中トライアングルをどう制御するか、そして日本の安全保障をどう構築するか。グローバルな企業活動の第一線で活躍し、硬派論壇の旗手として広い視界と骨太な構想力で定評ある著者が、日本の進路を経済の現場から考える。
目次
第1篇 グローバリズムへの視座(「国家の論理」と「企業の論理」;グローバリズムの受容と超克)
第2篇 日本の進路に関する構想(「親米入亜」の総合戦略を求めて;日米中トライアングル・クライシスをどう制御するか;柔らかい総合安全保障論の試み)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐島楓
17
経済、外交において世界的な視座を持つということの大切さを説いた本。対中、対米政策における文章が読み応えがあった。サイバー攻撃に対する警告も1998年当時としては斬新なものであったろう。日本人として、しかしナショナリズムに偏りすぎることなく、どうこの世界で生きていくべきか。大きく重いメッセージであり、考え続けねばならないテーマである。2014/01/01
夢仙人
1
寺島さんの本はいつも示唆に富んでいる。この本は20世紀最後の1998年刊、日本に国際機関を誘致する等素晴らしいアイデアがある。中国にGNPで抜かれた今、日本の経済、政治及び安全保障上の方向性を考える上で参考になる。2011/10/13