内容説明
1947年インドは英国統治から独立、九七年に独立50周年を迎えた。初代首相ネルーは多様性の中の統一を国家目標とした。しかし独立から今日まで大部分の期間、インドは常に戦争の脅威と危機に見舞われる厳しい国際環境を生きてきた。憲法に世俗主義を謳い会議派主導できたこの国に、九八年春の総選挙でヒンズー至上主義の人民党連合政権が誕生した。インドの価値観、政治社会構造、機能メカニズムを平易に描き50年を検証する。
目次
第1章 インドの民主主義の変容―カバーナンスの衰退
第2章 宗教と社会と政治―ムスリムとヒンズーを中心に
第3章 カースト制度の現代的意味
第4章 市場と国家と分配的正義―経済改革の政治社会学
第5章 苦悩するインド外交―現実主義と理想主義の狭間で