内容説明
一九九一年初頭以来、三年半におよぶ不況は巨額の不良債権、膨大な対外不均衡、異常円高、雇用危機等を抱えたまま未だ出口を見出していない。今次不況の最大の特色は、バブル崩壊を反映した金融システムの信用失墜である。金融面の悪化が実体経済に反映し、実体経済悪化が金融面に波及しているのである。アメリカの経済運営変化、ドイツ統一コストの圧力、BIS規制の制約等の内外情勢を踏まえて、金融市場の現場から経済の実状を報告。
目次
第1章 株価大暴落
第2章 危機に直面する金融システム
第3章 G‐7体制と資産インフレ
第4章 バーゼル合意の形成
第5章 ドイツ再統一の余波
第6章 米国のクレジット・クランチ
第7章 長期化するデフレ不況