中公新書<br> センスある日本語表現のために―語感とは何か

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中公新書
センスある日本語表現のために―語感とは何か

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  • サイズ 新書判/ページ数 221p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121011992
  • NDC分類 814
  • Cコード C1281

内容説明

「語感」ほど、誰もが確信を持ちながら、逆に普偏的な説明の困難な言葉も珍しい。感覚的な言語論を超えた語感の整理・分析は、いかに行なわれ得るのか。本書は、言語行動の三つの要素、つまり、表現主体である人間、評現対象である物事、そして表現手段であることばから語感を分類し、さらに、語彙体系の影響、言語的環境のバランス、語の用法や使用頻度などにも言及しながら、豊かな言語生活を楽しむヒントを提供するものである。

目次

1 ことばのひろがり
2 語感とは何か
3 類義語の意味関係
4 表現者の影
5 対象の照り返し
6 ことばの体臭
7 語感の環境

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Nobu A

8
筆者の体験談を交えながらの語感に関する随筆。時代と共に使われ方が変わる語彙・表現。年代や社会層によって想起されるものも様々。雑談調の書き方の中、類義語の(同義的・包摂的・接触的・隣接的・多岐的)意味関係から始まり、性別、思想、意識等による語感の違いが生じる実例を挙げ、最後は緊張度や品格等という括りで考察し、興味深い。歴史的な背景の説明もあり、学習者に類義語の違いを訊かれた時の引き出しが増えた。1994年初版。若干、いや、結構感覚格差を感じる箇所もあるが、面白かった。「センスがいいですね」と言われたい。2018/03/22

鎌倉 幸子

4
日本語は複雑。「集まり」と「つどい」。「ご飯」と「めし」。「コーヒー」と「珈琲」。「まんなか」と「どまんなか」などどのように使い分けるかを常に判断しないといけない。著者がいうように「誰もが確信を持ちながら、逆に普遍的な説明の困難な言葉も珍しい」のだ。印象的だったのは結局は「話し手」のものの考え方がベースとなり言葉が選ばれること。ここで問題を起こさないためには「話し手と聞き手との間の信頼性」が鍵となる。112ページで著者が言っている「ことばは心である」に凝縮されている気がする。2014/05/05

ラー

4
似たことばの使い分け、意味の違いなどをたくさんの具体例を挙げて説明。ていうか始終具体例。面白かったが、決定的に「これはタメになった!」みたいな説明はなかった。2011/07/01

入江

4
言葉に染み付く「日本人の体臭」のようなものを、楽しく教えてもらえた。2010/01/29

ふみ~

3
◆日本語の語感について、色々な方面から解説を入れる本。中々面白いが、「『ライス』と『ごはん』どちらになさいますか?」のくだりは他でも使っており、使い回しでちょっと残念。よほど著者の印象に残ったのだろうけどな……。◆「ことばは、それがさす意味を伝えるとともに、そういうことばで伝えようとしている人間をも伝える。(中略)日ごろから語感をみがき、一瞬一瞬、透明な心で対象に向うほかない」という著者の言葉が重く響いた。2012/06/14

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