中公新書<br> 現代戦争論―ポストモダンの紛争LIC

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中公新書
現代戦争論―ポストモダンの紛争LIC

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  • サイズ 新書判/ページ数 239p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121011435
  • NDC分類 319
  • Cコード C1231

内容説明

超大国アメリカはなぜ国際テロや、小国の反米政策に適切に対処しえないのか。この問いに応えるには国家対国家の戦争の範疇に納まらない、LIC(Low‐Intensity Conflict=低強度紛争)を課題とする必要がある。テロ、ゲリラ、民族・宗教紛争―、今日の世界を揺るがし、世界的危機への起爆剤となりうるLICの事例を検討してその対策を問う本書は、同時に、近代世界システムから脱近代システムへの移行期における紛争の、多元論的研究にほかならない。

目次

序章 LICと新世界秩序
第1部 理論(LICとは何か;LICの原因;LICの手段)
第2部 事例(米国のLIC戦略の歴史;国際テロ―犯罪から戦争へ;軍事力の限界;テロと核)
第3部 対策(LICと冷戦の終焉;LICの管理;終章 新世界秩序に向けて)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おりん

19
冷戦直後、第三世界で頻発した紛争(LIC)について述べた本。25年前に書かれた本なので古臭さがどうしても拭えないが、紛争についてちゃんと勉強したことが無かったので興味深く読めた。紛争が生じる原因として、少数派民族と多数派民族の衝突や、植民地支配の過去を引きずる形での低開発状態から生じる構造的暴力、そして西欧文明と非西欧文明(イスラム世界など)の対立が挙げられている点は頷けるものがある。また、テロに米国が手を焼いている理由として、それが精神的暴力であるからと述べている点も説得力がある。2017/05/04

sk

1
LICという着眼点がよかった。2013/04/28

茶幸才斎

1
共産体制の崩壊により、米ソ冷戦構造が維持してきた紛争の管理・抑制機能は失われ、少数派問題、低開発問題、西欧化問題を争点として、テロやゲリラ活動を手段とする亜国家主体と、国家主体との間のLIC(低強度紛争)が急増した。筆者は、核抑止体制に代わる新たな紛争管理システムの構築の必要性を説き、危機管理と武器管理による方策を提案する。のだが、さて、本書出版の8年後に米国本土で起きたテロと、それから今に至る暴力の惨禍、それが、現実である。筆者の描く、人間の生存の確保を基礎とする脱近代世界システムの理想は、いまだ遠い。2012/06/27

おらひらお

0
1993年初版。LICについて歴史から紐解くが、なかなか定義づけが難しいらしい。宗教と民族がキーワード。2011/02/14

かじやん0514

0
日本においては早い段階からテロリストなどの非国家主体が引き起こす紛争について包括的に書かれた本ではないか。そこは評価するし、政治的立場の左右を問わず、この問題について考える場合には必読である。しかし、イラク戦争などを見ると、本書の結論にはやや疑問。2010/12/20

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