内容説明
小さな脊椎動物メダカは、愛玩用ばかりでなく早くから博物学の対象となり、近くは生物学、さらには環境科学の研究にも大きな役割を果している。著者は半世紀にわたって、その繁殖の謎を追い、放射線の影響を探り、発ガンのメカニズムを調べ、老化現象に挑んできた。本書は、野外でマクロ的把握と実験室でのミクロ的解析の両次元から、ヒトにも共通する生命現象の不可思議を解明し、自然科学的生命観を確立しようとする試みである。
目次
第1章 博物学から生物学へ
第2章 繁殖の謎を追って
第3章 性ホルモンのはたらき
第4章 放射線の影響
第5章 発ガンと老化
第6章 細胞から分子へ
第7章 野生集団と進化
第8章 環境科学への展開