内容説明
脳死判定基準、臓器移植、遺伝子交換…。現代医学の技術的進歩によって、われわれは生と死に関わる人間倫理の根本を問われている。すでに欧米では、医学を超え、法学、神学、哲学などが加わった論議が熱く交されているにもかかわらず、日本ではこの問題への取組みは立遅れている。それはなぜか。そして文化としての医療を確立するために、われわれが選ばねばならぬ行動規範は何なのか。いま最もラディカルな問題を真向から論ずる。
目次
第1章 70年代アメリカ医療思想革命
第2章 脳死と心臓移植
第3章 優生社会への危険とは何か
第4章 倫理委員会とは何か
第5章 胚と胎児をめぐって
第6章 先端医療の社会受容