中公新書<br> 児童虐待―ゆがんだ親子関係

中公新書
児童虐待―ゆがんだ親子関係

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 新書判/ページ数 228p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121008299
  • NDC分類 369.4

内容説明

人身売買、低賃金長時間労働など、“貧困社会型”の虐待に代って、親の一方的都合で行われる身体的、心理的、性的虐待や育児のネグレクトなど、“文明型”の虐待が急増している。子どもいじめが一見“普通の家庭”に拡がっているのも特徴だ。長年児童の精神衛生診療の現場にあたった著者が、継子いじめ、育児ノイローゼなど、家庭という密室の中で起こった様々なケースの実態と背景を分析しながら、複雑化した現代の親子関係を考える。

目次

第1部 被虐待児症候群(児童虐待とは何か;児童虐待の歴史;児童虐待の現状)
第2部 虐げられる子どもたち(身体的虐待;性的虐待;ネグレクト―保護の怠慢・拒否;虐待は再発する)
第3部 親と子と(虐待する親たち;継子いじめの神話;虐待された子ら;被虐待児のゆくえ)
第4部 子どもたちを守るもの(治療と援助;児童虐待の法律;声なきマイノリティ・グループのために)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

にきゅ

1
なんというか悲しい。大人になったら何かと大変なのだから、せめてしあわせな子ども時代を送ってほしい。ぬくぬく育った自分は申し訳ない気持ちになる。虐待した親は二度と子どもに会わせない、そういう国もあるよね。2018/10/31

HA

1
心理学者として「児童虐待」の真相を求めてきた池田由子さん。彼女の書いた本書は子供に対する虐待が一部の異常者による、特殊な、別世界の話として語られていた時代。『日本には児童虐待は存在しない』と学者が公言して憚らなかった時代に書かれた本です。歴史や臨床事例を基に虐待された子供から、虐待をする親たちについても、取り巻く環境と共にメスを入れていく。その手捌きは公平と憐憫、共感と静かな怒りに満ちている。その想いが痛い程に伝わる。特に、精神疾患と母親。現在にも通じる先見性には日本が大して変化していない事を痛感させる。2014/10/08

watausa

1
二十年以上前に書かれた本とは思えません。作者の深い洞察力と先見の明に驚きながら、この問題の解決の遠さを思いました。2013/02/02

VC

1
子供が嫌いな親も、孫が嫌いな祖父母も大量にいる。2011/12/04

デービット

1
隣の家の少女のような事件はそこらじゅうでで起きていることが分かる。児童相談所などに寄せられた児童虐待の事例が書かれているが未解決のものがほとんどで後味が悪い。この世界はつくづく救われない世界だなと思う。2011/11/20

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/155837
  • ご注意事項