中公新書<br> 中世宮廷女性の日記―『とはずがたり』の世界

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中世宮廷女性の日記―『とはずがたり』の世界

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  • サイズ 新書判/ページ数 232p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121008091
  • NDC分類 915.4

内容説明

時代は鎌倉後期。皇位継承をめぐる暗闘の渦と澱みの間に、華麗に哀しく生きた後深草院二条がいた。移ろう後深草院に翻弄されながら、遂には懊悩と波瀾の生活を離脱し、仏道と和歌に自己を見出そうと旅立った女性の赤裸裸な告白に、中世宮廷の裏面と人間模様をみる。

目次

第1章 王朝回帰の夢―『とはずがたり』の人々
第2章 愛の遍歴―宮廷生活(その1)
第3章 抗争渦巻くなかで―宮廷生活(その2)
第4章 女西行の旅立ち―東国への旅
第5章 果てしなき旅路―西国への旅

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

きいち

29
鎌倉期文学の星「とはずがたり」を一般に紹介した嚆矢がこの一冊。同時代の日記文学てや歌集、二条も読んでいたはずの平安期の文学やお経など隣接作品たちを参照しながら(正直、これが国文学者の実力なのだと思った、すごい)、作品を読み解いていく。「有明の月」の正体など現在の定説とは異なるところもあるが、それもまた楽しい。◇でも、執筆時点の二条の状態を「廃残」と読むのは、それまでの文章の機知や教養の深さを読み解いてきた著者の立場とは一致しないのでは?50代の二条のバイタリティを称揚する角川選書の日下に一票。2020/01/19

in medio tutissimus ibis.

4
二条が御所退出するまでは悪い男ばっかりにつかまっちゃって二条が可哀想という若干父親目線で見ていたのだけれど、その頃から大きな空白の期間があったり、東国や西国への旅に裏の事情があったのじゃないかといわれたりで、ようやく二条も信頼できない語り手なのではと思えてくる。信頼できないというか、日記とはいえ後から書いたものだから思い違いもあるだろうし、関係各所を慮って朧化したりしたしわ寄せで出来事が不条理に見えるだけかもしれない。そういう行間を読めればなお楽しかったのだろうけど、馴染みのない時代のことなので面白かった2021/06/21

suzuki-takefumi

3
「とはずがたり」のあらまし。大ざっぱな輪郭を知るには良さそうだ。半面「とはずがたり」の著者、二条の内面部分について、作者が自分の価値観で決めつけているのではないか? と感じる部分が多かった。2013/01/25

Arte

2
高校生ぐらいの時にとはずがたりの話を何か読んで(『中世炎上』かな…瀬戸内晴美嫌いだから違うかも)結構衝撃だったが、今思うとまあ、添い臥しの娘を寵愛して、飽きたら政敵の愛人に差し出したり、女衒として使ったり、というのはありそうな話だよなあ。発見されて良かったね。あと、名門の師弟が出家すると栄達が速いから「出世(間)」という、っての初めて知った。 2020/01/12

石ころ

1
いろんな男性に翻弄されつつも、強く生きようとした女性のお話。有明の月が性助じゃない説もあるのか……。2013/06/07

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