内容説明
中央集権化に向けて抜き打ち断行された維新政府政変の全容。
目次
第1章 新政権の成立
第2章 版籍奉還の実施
第3章 集権化への歩み
第4章 藩体制の動揺
第5章 藩力の結集
第6章 波瀾の政局
第7章 廃藩置県の断行
第8章 廃藩置県の反響
第9章 府県制の成立
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
だまし売りNo
15
藩の中には経営がたちいかなくなり、幕府に領地返上を願い出ることを検討するところも生じた。破産を回避しようと借金を続ける経営者や一度立てた計画に固執する公務員より健全である。明治時代に版籍奉還や廃藩置県が比較的すんなり行われたが、藩運営の行き詰まりが背景にあった。2021/07/22
にゃん吉
1
近代統一国家への苦悶という副題どおり、新政府樹立から版籍奉還、廃藩置県、秩禄処分を経て、幕藩体制、封建制を打破して、中央集権国家の樹立を目指す新政府の紆余曲折が詳細に叙述されています。現代から見れば、必要不可欠、不可避の措置であったとしか言えませんが、大藩の抵抗とか、割を食う下級武士の不満なども宜なるかなと。それにしても、こういうテーマで一冊の新書が書けてしまう(研究書も相当あるようですが)というのは、門外漢には驚きでした。
denz
0
手堅い歴史書。重要な本だとは分かるが、叙述が退屈。必要な時の参照用で通読は辛い。巻末の史料と研究史は役に立つ。2011/01/16