感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Tomoichi
16
司馬遷の「史記」を全ては読めないが、その精神とトピックをコンパクトにまとめられた一冊。宮城谷昌光の作品を読んでいるとどこまでが彼の創作でどこまでが史記などからの引用かと思う時があるが、これを読むと「史記」をベースにうまく話を広げていることがわかる。宮城谷昌光ファンにもオススメです。2018/06/21
yuki
8
三国志と並んで日本でも有名な歴史書である史記を取り上げた一冊。主に政治や計略、それを記述する司馬遷の目を通して、古代中国の思想、価値観を見ていくという感じ。戦闘に関しては少し控えめなので、そちらを期待する人は他の本がいいかも。さすがに楚漢戦争は取り上げられていて、そこで韓信や蕭何は少し出てくるけど、黥布は名前くらいで、白起、楽毅は名前すら出てこなかったと思う。ド定番の荊軻も取り上げられていないし、孟嘗君に対する評価が低いなど、よくある『史記解説本』とは一味違うのが良い。2016/06/04
フリウリ
7
中公新書12番(1963年初版)。現在絶版。どうしてかわからないけれど、たびたび読んでいる。貝塚先生の語りがいいんだろうな。82024/02/10
ヨクト
6
司馬遷「史記」に挑戦したいと思い読了。本書には史記の面白さと、面白い場面、司馬遷の想いが解説されているため、これはますます読みたくなった。特に列伝は、当時としては奇跡とも呼ぶべき完成度と読み応えらしく、これはわくわくしてしまう。この史記という書を歴史書という認識がない当時、竹簡に書かれていたと考えると、なんともその司馬遷の偉業に圧倒されてしまう。2018/11/30
CCC
5
もちろんこのページ数なので全てを包括する内容ではないけれど、取り上げたエピソードなどの扱いがしっかりしていて好感が持てた。文章も50年近く昔のものと気づかないくらい読みやすく、また、客観性の感じられるものだった。突飛な話はないけれど、手堅い本だと思う。2012/09/27