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おばちゃんたちのいるところ―Where The Wild Ladies Are

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  • サイズ B6判/ページ数 231p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784120049187
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

わたしたち、もののけになりましょう!あるときは訪問販売レディ、あるときはお寺の御朱印書きのアルバイト、そしてあるときは謎の線香工場で働く〝わたし〟たち。さて、その正体は――?!八百屋お七や座敷童子、播州皿屋敷お菊たちがパワフルに現代を謳歌する痛快連作短篇集。嫉妬、憎しみ、孤独に苛まれ、お化けとなった女たちの並々ならぬパワーが昇華され、現代女性の生きにくさをも吹き飛ばす!ここにしかない松田青子のユニークかつ爽快な17つの物語。

内容説明

追いつめられた現代人のもとへ、八百屋お七や皿屋敷のお菊が一肌脱ぎにやってくる―松田青子、はじける!愉快な連作短編集。

著者等紹介

松田青子[マツダアオコ]
1979年、兵庫県生まれ。同志社大学文学部英文学科卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

544
表題作を含めて17の掌編からなる作品集。各篇はなんとなく緩やかに関連している。それらのいずれもが歌舞伎の狂言や舞踊、あるいは落語の演目となにがしかの繋がりを持っている。例えば巻頭の「みがきをかける」は歌舞伎舞踊の『娘道成寺』、表題作は落語の『反魂香』といったように。また、タイトルは当然センダックの『怪獣たちのいるところ』のパロディ。そうすると、おばちゃんたちは怪獣かい?いえいえ、怪獣ではありません。多くは幽霊なのです。いずれの掌編も面白いが、しいて1篇を採るなら「牡丹柄の灯籠」か。2020/12/15

風眠

214
歌舞伎や浄瑠璃は格調高いイメージだけれど、中身はメロドラマだ。不幸に次ぐ不幸、やっと幸せになれると思ったのに、また不幸が!・・・とまぁ、だいたいこんな感じなのだけれど、松田青子が歌舞伎や浄瑠璃を底本に連作短編を書くと、ついつい突っ込みたくなる独特な可笑しさが醸し出されるのは、彼女の持ち味というか、魅力だなと思う。悲劇のヒロインであるはずの、お七やお菊やお岩。それから関西弁丸出しの富姫や、愛人だったおばちゃん。死んでもただでは起きないパワフルさと、軽〜いノリがたまらない。「おばちゃん」だから、面白いのかも。2017/04/07

❁かな❁

191
やっぱり松田青子さん只者じゃない!!落語や歌舞伎や怪談などを題材に現代に幽霊が普通に現れたりする不思議でなおかつパワフルな連作短編集♪松田青子さんの作品を読むのは5作目ですが本当に今作も青子さんにしか書けないようなお話*最初の方はどんな感じかなぁと様子を見る感じで読み進め、途中から思い切りこの世界に入り込んで楽しめました!青子さん独特のパワー漲る言い回しも健在で他に、じーんとしたり、ほっこりするような可愛いお話もあり、皆が愛おしくなります♡「チーム更科」素敵♡汀さんもなんかいいです(笑)青子さん最高ー★2017/03/14

kana

172
青子さん、天才かもしれない、と読み進むにつれじわじわくる面白さです。あの世とこの世の人が愉快に混ざり合う現代社会を舞台にした連作短篇集。各話、落語や古典文学を本歌取りし、フェミニズム的な側面も織り込んだ上で、エンタメとしても完成度高く仕上がっています。たとえばあの世サイドから謎の灯篭を売りつけてくる強引なセールスレディとの一幕やら謎の怪物ガムちゃんをペットに暮らす孤独な女性の日常やら自殺したお母さんと同じ会社で働く青年の成長譚やら…激しく狂ってるのに、妙に心に刺さるフレーズがたくさんあり、癖になります。2018/11/20

じいじ

164
 歌手の松田聖子が好きで付けたペンネームだそうだ。ただし名前は(アオコ)と読む。11編の連作短篇集。テーマもテーストも変化があって面白い。初読みだが、この作家さん独特の世界観を感じる。出だしは松田聖子ではなく、きゃりーぱみゅぱみゅの歌を聞いてるような奇想天外な華やかさの感触。途中からは、山崎ナオコ―ラの文体が思い浮かんだ。多彩な個性が文面に滲み出ている。【ひなちゃん】の友人と出掛けた多摩川で骸骨を釣り上げる話は、まさに名人の落語を聞いている面白さだ。装丁が秀逸。【図書館本】2017/03/29

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