花冷えて―闇医者おゑん秘録帖

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  • サイズ B6判/ページ数 301p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784120048159
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

稀代の毒婦か、無垢な童女か。夫と通じた女中の子堕ろしを頼みに来た女将の態度は、いささか奇妙だった―闇医者の許に持ち込まれるのは、一筋縄ではゆかぬ事件ばかり。

著者等紹介

あさのあつこ[アサノアツコ]
1954年岡山県生まれ。青山学院大学文学部卒業。小学校講師を経て、91年に作家デビュー。『バッテリー』で野間児童文芸賞、『バッテリー2』で日本児童文学者協会賞、『バッテリー1~4』で小学館児童出版文化賞を受賞。児童文学やヤングアダルト、時代小説など幅広いジャンルで活躍する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

あすなろ

120
業を描いた闇医者おゑん続編。そうした表現に感想はなった。待ち望んだ続編。おゑんの世界はよりおゑんの独白を受けて拡がりを見せている。業、即ち、悔い・未練・心配・慚愧・憤怒・怨嗟…。人は死際まで様々なものを引き摺って行く。捨てられず、忘れも出来ず命ある限り身に括りつけて歩く。そんな文章がある。正しくその通りの感想で、重く響き亘る言葉達が脳裏を駆け巡る作品であった。また続編に出逢いたい。もっと評価受けても良いシリーズではないか?ある種のタブー描いてはいるが…2016/04/20

いつでも母さん

115
おゑんの言葉を通して子を身籠った女の強さ・子を持てない女の掴み所のない怖さ・幼いとは云え女の持つ業の深さを言わせている。見事だ・・『竹が鳴く』ではおゑんがお江代に飲み込まれるのかとぞくっとした。お江代に何を観たのだろう。おゑんの中に眠っている否、押し殺している鬼か菩薩か。引き込まれて一気読みだった。お春がおゑんの元で身に付けていく空気が良い。末音の後継者かおゑんの守り人なのか先が楽しみだ。そして、おゑん自身が恋に身を窶した時おゑんはどうするのか・・なんて勝手に想像した次第。間をおかずに続編が読みたい。2016/03/18

ゆみねこ

78
竹が鳴く・花冷えての2編。竹が鳴く、大店の婿養子である主に手篭めにされたお竹と女主人お江代の話。花冷えて、母に愛されなかった娘の悲しみと、娘を失った母の切なさ。女の業は重くて切ない。あさのさんの時代物、好きです。続編を楽しみに待ちたい1冊。2016/06/02

itica

72
「この世に人ほど面白いものはない」おゑんの借家の大家である茂三郎は言う。自分の予想を超えた考えや行動は、意表を突いて確かに退屈しないかもしれない。しかし妬みや憎しみと言った負の感情も人の持つ特性だ。時にはそれが不幸を生む。血の匂いで不穏を嗅ぎ取ったり、病死に不信を持つおゑんはまるで探偵のようだったが、犯人は分かっても気の晴れない結末だったな。 2023/05/18

baba

51
おゑんと大店の内儀とのからみ、下女がこれから一人で生きていこうという姿勢は、一人親世帯の貧困と今も言われて続けて女性に厳しいのは変わらないものだと嘆息する。後半は大店の娘が何故大それた考えに取りつかれたのかの心理戦、言葉のやり取りに緊迫感がありました。忘れないうちに次作が出ると良いな。2016/03/24

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