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中公叢書
大英帝国の親日派―なぜ開戦は避けられなかったか

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  • サイズ B6判/ページ数 297p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784120047572
  • NDC分類 233.07
  • Cコード C1022

出版社内容情報

かつて同盟関係にあった日英はなぜ対立を深めたのか。第二次大戦前夜の外交官や政治家の動きを丁寧に追い、新たな日英外交史を描く。

内容説明

かつて日英同盟で結ばれていた日本とイギリスは、なぜ対立を深め、第二次大戦で戦火を交えることになったのか。対独戦に苦しみながら、なぜイギリスは日本との戦争に踏み切ったのか。駐英大使として交渉を続けた重光葵はどこで読み誤ったのか。イギリス側史料の詳細な検証から、双方の思惑やすれ違い、情勢分析とその誤りが如実に浮かび上がる。果たして、イギリスの意思を正確に捉えることができていたら、日本外交は異なるものとなっていただろうか。日英関係史の第一人者が開戦前夜の日英外交に新たな光を当てる。

目次

第1部 イギリスの極東政策をめぐって―戦略としての親日(オースティン・チェンバレンとネヴィル・チェンバレン―日英で相反する人物像;ジョン・サイモン―満州危機に直面した外務大臣;ロバート・クライブ―親日派と対日強硬派の狭間で;ロバート・クレーギー―対日妥協から日本封じ込めへ;アンソニー・イーデン―“懐疑的な”外務大臣;ハリファックス卿―宥和主義者という誤解)
第2部 駐英日本大使館と大英帝国の親日派たち―親日という幻想(重光葵―イギリス分析は正しかったのか;アーサー・エドワーズ―逆効果だった“素人外交”;ハンキー卿とR.A.バトラー―戦後の重光への好意と礼節;センピル卿―機密漏洩の疑惑;F・S・G・ピゴット―誰よりも日本を愛した男)
第3部 和解と展望―軍事・政治・経済(ウィンストン・チャーチル―徹底した現実主義者の対日観;吉田茂―日英親善という宿願)

著者等紹介

ベスト,アントニー[ベスト,アントニー] [Best,Antony]
1964年イギリス生まれ。リーズ大学卒業、ロンドン大学LSE博士課程修了。博士(国際関係史)。現在、ロンドン大学LSE准教授。専門は日英関係史、東アジア国際関係史

武田知己[タケダトモキ]
1970年生まれ。上智大学文学部卒業、東京都立大学大学院社会科学研究科博士課程中途退学。博士(政治学)。現在、大東文化大学法学部教授。専門は政治学、日本政治外交史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

funuu

8
「日本がアメリカをこうげきしたことは祝福すべきことであった。それがアメリカの参戦をもたらしたからである。イギリスの友と敵を白日の下に照らし出したこの出来事以上に、イギリスにとってよかったことはなかったのだ。」チャーチル。それにしても日本の外交電文がイギリスに全て解読されていた時点で、イギリスの勝利は確定。第二世界大戦は情報戦だ。2016/08/22

yamatoshiuruhashi

5
戦間期に関する考察書である。名著E.H.カーの「両大戦間における国際関係史」に匹敵すると思うが、カーの考える「国際関係史」は欧州を中心としたものであったのに対し、本著者は日英関係をその考察の視点としている。著者は訳出本出版に当たり日本の読者へのメッセージも添えているが、英国人によってここで記述される「当然守られねばならない世界の秩序」は日本人或いは植民地側にとっては愉快なものではない。然しながら、純粋に国益を追求しそれをいかにグローバルスタンダード化するかが冷徹な国際政治の要であることを知らねばならない。2015/11/19

てら

2
太平洋戦争は「日米戦争」として語られることが多いけれど、当事者たちにとっては「日英関係」の方が大きく見えていた可能性が高い。そんな両国の外交関係者たちが、当時どう考えどう行動していたか、1人1章の形式で概説している。まったく知らなかった人物も多いが、非常にわかりやすくしかも多面的な記述だった。ただむろん、当時の国際情勢についてある程度の予備知識が無ければかなり難しい本ではある。両国の高官たちに何が見えていて何が見えなかったのか、後世の一読者にも理解できる丁寧な良書だと思います。2021/05/13

悠々

2
★★★★☆「日本がアメリカをこうげきしたことは祝福すべきことであった。それがアメリカの参戦をもたらしたからである。イギリスの友と敵を白日の下に照らし出したこの出来事以上に、イギリスにとってよかったことはなかったのだ。」チャーチルより。2017/08/26

FKtaro

2
時は太平洋戦争。ある人は日本を盲信的に愛し、ある人は金銭的恩恵に預かり、ある人は政治的に利用しようとし、何らかの形で親日派だったイギリス人たちのエピソード。教科書の歴史では知り得ない側面です。2016/03/09

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