共産主義の興亡

ブラウン，アーチー【著】〈Ｂｒｏｗｎ，Ａｒｃｈｉｅ〉/下斗米 伸夫【監訳】

中央公論新社（2012/09発売）

• サイズ A5判／ページ数 797p／高さ 22cm
• 商品コード 9784120044212
• NDC分類 309.3
• Cコード C0020

内容説明

マルクス、エンゲルスの登場から、ロシア革命とソ連建国、東西冷戦を経て、東欧民主化とソ連崩壊、そして現代まで。その起伏に富んだ歴史を、オクスフォード大学で長く教鞭をとった共産主義研究の第一人者が描き尽くした渾身の大著。

目次

第１部　起源と発展（共産主義の理念；初期の共産主義と社会主義　ほか）
第２部　台頭する共産主義（共産主義の魅力；共産主義と第二次世界大戦　ほか）
第３部　スターリン後の生き残り闘争（フルシチョフと第二〇回党大会；「共産主義」への紆余曲折　ほか）
第４部　多元化の圧力（ポーランドの挑戦―ヨハネ・パウロ二世、レフ・ワレサ、そして「連帯」の勃興；中国の改革―〓（とう）小平とその後　ほか）
第５部　共産主義の没落を解釈する（ゴルバチョフ、ペレストロイカ、共産主義改革の試み、一九八五‐八七年；ソ連共産主義の解体、一九八八‐八九年　ほか）

著者等紹介

ブラウン，アーチー［ブラウン，アーチー］［Ｂｒｏｗｎ，Ａｒｃｈｉｅ］
１９３８年生まれ。英国におけるソ連・ロシア研究の泰斗。ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス（ＬＳＥ）に学び、１９７１年から３０年余り、オクスフォード大学のセント・アントニーズ・カレッジで政治学を講じた。同大学名誉教授

下斗米伸夫［シモトマイノブオ］
１９４８年生まれ。東京大学法学部卒業。同大学大学院法学政治学研究科博士課程修了。法学博士。成蹊大学教授などを経て、法政大学教授。専攻はソ連政治史、冷戦史、ロシア政治（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー

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[ブラックジャケット]

総重量１．２ｋｇ、厚さ６センチ、題名が示すように表紙は赤一色。BookというよりBlock。 英国の政治学者が、３世紀に渡るユートピア思想の共産主義の勃興と衰退を圧倒的な筆力で記述した。マルクスからレーニンへ、人類社会に与えた影響は、大陸を席巻し深甚な衝撃を与えた。さらには毛沢東、カストロ、金日成ら理想郷の同床異夢が世界を揺るがし、人々の運命に神のような手で介入した。魅せられた人も数多いが、権力の集中は独裁制へ迷い込んだ。革命を起こす力がありながら、真の繁栄と自由には遠かった。貴重で偉大な歴史書だ。

2017/10/22

[メルセ・ひすい]

★5　著者によるコミュニズム全般にわたる見事な鳥瞰譜！ソ連､赤い中国､北朝鮮､キューバ｡併せて政治運動としての共産主義だけでなく地域史･冷戦史･思想史あらゆる角度から読むに耐える｡★特に我が国の3.11以降「核」を含めた冷戦の遺物が文明論という人類として問われる時､読者の読み解きそれを人生の糧とできるかを問う。☆革命と戦争に彩られた「壮大な実験」の全貌。マルクス、エンゲルスの登場から、ロシア革命、東西冷戦を経て、東欧民主化、現代まで、その起伏に富んだ歴史を、共産主義研究の第一人者が描き尽くす二段組み大書。

2012/11/07

[lico]

現代では共産主義というとどうしてもスターリンの大粛清や毛沢東の文化大革命などセンセーショナルな失敗ばかりに目が行ってしまい、この二十世紀の大いなる実験が何故こうも長い期間続いたのかが見えにくくなってしまっているように感じるが、本書はそんな共産主義の歴史のゆりかごから墓場までが丁寧に描かれていて、今まで点と点でしかなかった出来事を有機的に結び付けることができた。かつてのソ連構成国同士で争いが行われているが、そんなときであるからこそ、いま一度共産主義とは何だったのかを考え直す時が来ているのではないでしょうか。

2023/03/27

[鏡裕之]

マルクス以前の、先駆的な共産主義的発想の持ち主から始めて、ソ連が崩壊し、グローバリズムに飲み込まれる2000年代途中まてを描いた、超大作。共産主義への幻影がきれいさっぱり消える。共産主義体制が、ただの独裁体制であること、そのために言論の自由を封殺し、反対意見の持ち主や意見の多様性を、その持ち主とともに抹殺してきたことがよくわかる。結局バクーニンが看破した通りに、無理なシステムだったということだね。

2013/12/23

[takao]

ふむ

2020/02/09