内容説明
傑出した軍人ボナパルトの知謀と素顔、若き皇帝を取り巻く将軍たちの息づかい、戦場の兵士の悲惨な現実…。革命と帝政の時代の戦闘を、そこに生きた者の目線で臨場感たっぷりに再現。フランスの政治・外交事情、超越的機動力を誇った大陸軍の戦術を、史実と洞察の絶妙なバランスをもって読み解き、戦場の太鼓の響きや砲声までもを生き生きと伝える痛快な戦史。
目次
第1章 鷲の一飛び―ロディ橋の戦い 一七九六年
第2章 六十分で征服―ピラミッドの戦い 一七九八年
第3章 午後に起きた奇跡―マレンゴの戦い 一八〇〇年
第4章 戦略の傑作―ワルム、アウステルリッツの戦い 一八〇五年
第5章 鉄元帥ダヴ―アウエルステッドの戦い 一八〇六年
第6章 雪を彩る鮮血―アイラウの戦い 一八〇七年
第7章 大砲の勝利―ワグラムの戦い 一八〇九年
第8章 鍵を握った数分―ワーテルローの戦い 一八一五年
著者等紹介
ジョフラン,ローラン[ジョフラン,ローラン][Joffrin,Laurent]
小説家であり、政治、歴史随筆の著作者でもある。2006年から日刊紙「ナショナル・リベラシオン」のディレクター
渡辺格[ワタナベタダシ]
1937年東京生まれ。小石川高校、東京大学教養学部フランス科卒業後、航空会社勤務。パリ、ブリュッセルなどに駐在(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Koning
21
ナポレオン戦役のうちロディ、ピラミッド、マレンゴ、ウルム、アウステルリッツ、アウエルシュテット、プロイッシュ・アイラウ、ドイッチェ・ヴァグラム、そしてワーテルローの各戦いを小説風に描く軍記物という感じ。ことにイエナ・アウエルシュテットの下りは我らがルイ・ニコラ・ダヴーの優秀さを遺漏なく記述していて大変好ましい(笑)<凄い贔屓目だね、われながら。で、巻末に地図が付いているのだけれど、カラーで大判ならまだこのフィギュアを並べたような地図はよろしいのだけれど、モノクロでこのサイズだと見にくい上に(続く2014/11/16
flat
4
ナポレオンの戦記ものとでも呼べば良いのでしょうか?時に文学的にナポレオンを始めとした各軍団が描かれており読み応えがある。しかし図解で其々の軍団の動きをもう少しイメージしやすく書いてくれると嬉しいのだけど、やはり難しいのだろうか。2019/05/24
suzuki-takefumi
2
「従軍記者」という視点から記述している。初心者としては地図が見にくい。巻末の地図を見てもどっちがナポレオン軍なんだか……本文は交戦だけでなく、負傷者や将軍の迷いなど、戦場の雰囲気を味わえる。2012/02/16
みこ
1
ナポレオンの主だった戦争について詳細に記している。やはりナポレオンの戦場を広く捉える視点は非常に優秀であったと同時に、思い通りにいかないことも、たくさんのミスもありながらどうにかしているところがある。優秀なのは否定しない、しかしそこに豪運の持ち主であったとも言わざるを得ないだろう。先が見えずに暗く沈んだフランスにおいて、ナポレオンの放つ輝きはまさに希望の星だったに違いない。2021/12/10
May
1
これまで結構な量のナポレオン戦争関係資料を読んできた。中でも本書は、結構お勧め。扱っているのは代表的な会戦(ロディ、ピラミッド、マレンゴ、アウステルリッツ、アウエルシュタット、アイラウ、ワグラム、ワーテルロー)。短く小気味いい文が、リズムを与えてくれる。図面が分かりやすいものであればもっと良かったのだが。ワーテルローは勝って当たり前という主張する著者は、バリバリのボナパリストであることには注意して読むべし。2011/10/11