発光地帯

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  • サイズ B6判/ページ数 189p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784120041891
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0095

内容説明

誰にも見せない日記のように、誰かに語りかけている。芥川賞作家が日常から零れ落ちる言葉たちを拾いあつめた、自由律で不定型、新しいかたちのエッセイ集。

目次

スノードーム前々夜
濡れた髪もあたらない
わたしはあなたに感謝します
眠り号
世はすべてこともなし
錠剤に色をつけるとすれば
最終の夜のこれがチャンス、あるいは7時半になって夜がきた
冷蔵庫をひやす
お餅はあまり好きではない
世界なんかわたしとあなたでやめればいい〔ほか〕

著者等紹介

川上未映子[カワカミミエコ]
1976年8月29日、大阪府生まれ。2007年、デビュー小説『わたくし率 イン 歯ー、または世界』が第137回芥川龍之介賞候補に。同年第1回早稲田大学坪内逍遥大賞奨励賞受賞。08年、『乳と卵』で第138回芥川賞を受賞。09年、詩集『先端で、さすわ さされるわ そらええわ』で第14回中原中也賞受賞。10年『ヘヴン』で平成21年度芸術選奨文部科学大臣新人賞、第20回紫式部文学賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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ヴェネツィア

190
「食のエッセーでもあるのだから」など言いつつ、にゅうめんを6日も食べ続けたり、到来物のアンチョビソースのスパゲティを3日も、なんていう調子で、いつもながらのスパイラル饒舌会話体のあちらからもこちらからもキラキラと光を乱反射させる川上未映子の顔、まさに「発光地帯」。もう一つ驚くのは彼女の交友の広さと多彩さで、ある時は多和田葉子さんと銀座でご飯を食べ、篠山紀信さんとお酒を飲みに行ったら勘三郎さんとバッタリ、かと思えばアラーキーから直筆で本を贈られる。若い身空でいつの間にそんなにと、やはり美人は得だという結論。2014/07/10

hiro

87
未映子さん5冊目。去年末『すべて真夜中の恋人たち』を図書館で予約し、あと少しで順番が回ってくるので、未映子ワールドに入る準備のために、DVDで『パンドラの匣』を観て(本職の女優みたいだった)、図書館でこの本を見つけたので読んだ。ウェブサイト「ヨリモ」に連載された「食のエッセイ」ということだが、実際は食の比重は低い。(昼食の9割はスパゲティというだけスパゲティが良くでてくるw)。未映子さんの独特な文章は、最初読みにくいが、慣れると詩のような文章は気持ちよく読める。続きの『魔法飛行』も図書館で予約します。 2012/05/12

どんぐり

40
最初は「食のエッセイでゆこうね」という目的で始まった読売新聞ウェブサイト「ヨリモ」の連載が、本書のもとになっている。このエッセイ、食というよりも、日常の出来事を詩人のフィルターを通して紡いだ言語表現が次から次に溢れ出て来て止まらない、まさに川上ワールド炸裂である。彼女はこんなことを書いている。「詩作は、瞬間、瞬間にかちっと光った言葉をつかまえて、なんの遠慮も誰への気遣いもなく白いところに焼きつける、有無をいわさずにひっつけたり、時には祈ったり、ねじ込んだりして、あるいは切手を貼るような角度で言葉を扱う作業2014/06/07

おいしゃん

31
町田康のように、文章のリズムが楽しい。 食べ物エッセイという割に、こだわった食べ物が全く出てこないが、飾らない作者の日常が垣間見れる。2021/01/05

nyanco

20
エッセイは作家さんの生活や頭の中を垣間見せてくれるので面白い。破天荒な作品を書く方がエッセイでは生真面目だったり…。川上さんのエッセイは実に彼女らしい。「夏の入り口、模様の出口」や「世界クッキー」では、甥御さんの話などが多かったせいか川上さんって意外と普通の方かも…なんて感じたのですが本作は日常の間に川上未映子の頭の中が垣間見えて非常に川上未映子っぽいエッセイ。食べ物のエッセイに…という当初の地図からずれるたびに修正しようとする生真面目さもちょっと意外で、でもまた道を外れていく様が川上さんらしい。続→2011/02/17

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