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中公叢書
参議院とは何か 1947~2010

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  • サイズ B6判/ページ数 378p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784120041266
  • NDC分類 314.15
  • Cコード C1031

内容説明

これまで、政治過程において参議院が果たす役割について、二つの見方が対立してきた。一つは、「強い参議院」論と呼ばれ、参議院に大きな役割を認める。もう二つは、「カーボンコピー」論と呼ばれ、参議院の役割を限定して捉える。本書はこの対立に決着をつける。このため、参議院が創設された一九四七年から政権交代直後の二〇一〇年にいたるまでの期間に日本の政治過程において、参議院が果たしてきた役割を辿る。そして、参議院とは何か、明らかにする。

目次

序章 参議院の見方
第1章 内閣の鬼門―吉田茂と参議院
第2章 議長の時代―松野鶴平と重宗雄三
第3章 河野謙三の登場
第4章 五五年体制の崩壊と参議院
第5章 「首相支配」と参議院―再び内閣の鬼門化
第6章 再可決の時代
第7章 参議院の役割

著者等紹介

竹中治堅[タケナカハルカタ]
1971(昭和46)年東京都生まれ。93年東京大学法学部卒業、同年大蔵省入省。98年スタンフォード大学政治学部博士課程修了。Ph.D.(政治学)。99年より政策研究大学院大学助教授。2003年9月から04年8月までスタンフォード大学客員研究員。10年4月より政策研究大学院大学教授。専攻:比較政治、日本政治(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

8
「衆議院のカーボンコピー」とも、逆に「強すぎる」とも言われる参議院を考察する。大部分は戦後から2010に至る、首相と参議院の関係から見た日本政治史になっており、これだけでもおもしろい。日本は議院内閣制をとっているが、”議院内閣制の本質は行政府と立法府の融合・連携にある”というのはバジョット以来言われている。しかし、本書が指摘するように、それは衆議院と内閣の話であって、参議院には当てはまらない。つまり、内閣と参議院の関係は「むしろアメリカの大統領制における行政府と議会との関係に近い」。2022/08/04

日の光と暁の藍

5
参議院とは何か。参議院はなぜ必要か。これらの問いに対して、著者は「参議院とは、議院内閣制の下で内閣と衆議院が一体となって行う立法などの活動を抑制する存在である」(P355)と結論付ける。参議院は、国会による立法を慎重にし、民意を多角的に反映させるために存在するとされる。その参議院の持つ影響力に対して、二つの見方が存在する。強い参議院論とカーボンコピー論である。首相と参議院の関係を歴史的に検証し、法案が国会を通過したかしなかったか、法案審議過程がいかに参議院に左右されてきたかを明らかにする。労作。2020/10/24

ゆきまさくん

3
再読。大蔵省出身の政治学者、竹中治堅教授による本。日本の二院制を踏まえ参議院は機能しているのかを問う。参議院の権限は強いとする論と、衆議院のカーボンコピーであるとの論がある。これに関し、参議院は良識の府であり均衡と抑制を果たすもの、議論の多元性、慎重性を確保するものとの意見がある。とどのつまりは、国民が一院制を求めるのか、二院制を求めるのかの判断によるものらしい。我が国の場合、国民の判断で二院制を採っているかといえば、残念ながら国民の関心があまり高くないので、そうとは言い切れないかもしれない。2019/12/18

takao

1
ふむ2021/11/16

のん

1
参議院の創設直後から鳩山内閣成立に至るまでの期間に参議院が政策形成過程に及ぼしてきた影響を分析する。 これまでの参議院論は法案審議過程にばかり注目しており、政治過程における参議院の役割に目を向けていないという指摘は納得だった。歴史に沿って参議院の役割を描いていくのでとても読みやすかった。2020/06/04

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