SOSの猿

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  • サイズ B6判/ページ数 292p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784120040801
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

この物語が、誰かを救う。
ひきこもり青年の「悪魔祓い」を頼まれた男
300億円が消えた株誤発注事故を調査する男
斉天大聖・孫悟空は何を語るのか
SOSを発しているのは誰なのか
──救いの物語をつくるのは、彼ら

家電量販店の店員・遠藤二郎は、イタリアで修行した「エクソシスト」というもう一つの顔を持つ。遠藤は他人の発する「SOS」を見過ごせない性格だった。ある日、知り合いの「辺見のお姉さん」にひきこもりの息子・眞人の悪魔祓いを依頼され、辺見家に赴く。一方、桑原システムの社員・五十嵐真は、20分間で300億円の損失を出した菩薩証券の株誤発注事故の調査を命じられる。 菩薩証券は、ミスの原因をシステムのせいにしたがっているという。聞き取り調査を始めた五十嵐は、なぜか奇怪な幻想に翻弄されていく。眞人の部屋で「西遊記」を発見する遠藤。そして五十嵐の前には異形の猿が・・・・・・。これは現実か妄想か。二つの物語のゆくえはいかに。

内容説明

ひきこもり青年の「悪魔祓い」を頼まれた男と、一瞬にして三〇〇億円の損失を出した株誤発注事故の原因を調査する男。そして、斉天大聖・孫悟空―救いの物語をつくるのは、彼ら。

著者等紹介

伊坂幸太郎[イサカコウタロウ]
1971年千葉県生まれ。東北大学法学部卒。2000年『オーデュボンの祈り』で新潮ミステリー倶楽部賞を受賞し、デビュー。04年に『アヒルと鴨のコインロッカー』で吉川英治文学新人賞を、短編「死神の精度」で日本推理作家協会賞(短編部門)を受賞。08年には『ゴールデンスランバー』で本屋大賞、山本周五郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

とら

315
「猿」「孫悟空」「エクソシスト」というキーワードを用いて描いた世界━五十嵐大介さんの『SARU』と対をなす物語━元々『SARU』の方を、マンガ大賞にノミネートされてるのを見て気になり、でもこの漫画の競作相手が伊坂さんだって言うじゃないか!これは先に読むしかないな~と思った次第です。まず、表紙好きです。良いなあ、こういうの。特に題字が好きかもしれないけれど(笑)内容は、正直もっとファンタジーを想像していたのだけれど、思ったより無かった。でも壮大だ。個人的な苦悩を”おおきなもの”のせいにしたくなる━なるほど。2013/02/02

kishikan

300
わおーォォっ。なんて言ったら良いんだろう。面白い!有りえなそうだけど身近に起きるかもしれない。難解だけど分かるような気もする。ある意味伊坂さんのこれまで(2009年初版)の集大成というか、挑戦というか、とにかく物書きとしてやりたかった作品だと思う私でした。家電量販店の店員で副業として悪魔祓いを行う遠藤君、そしてコンピュータソフトシステムエラーの調査員の五十嵐君の視点で語られる物語。関連のない話が、SOSの発信と孫悟空の登場で収束していきます。中でも「人の悩みは、一般化されたところで救われない」は名言です。2012/08/13

sk4

200
どこからどこまでが虚構で、どこからどこまでが真実なのかよくわからない複数のストーリーが渦となって、強いメッセージにあふれた最後の『私の話』へと流れ込んでゆく。 それにしても二十分間で三百億円の損失を出した田中徹は、五十嵐真の想像では『足を引きずってやってきてもおかしくない』とされている。 【足の悪い田中】・・・リンクだ!こいつは間違いない! 陽気なギャングやオーデュボン、モダンタイムス、オーファーザーなどなど、覚えてるぞ! 田中! (と思ったら中野だったが)2012/12/15

がらは℃

183
伊坂さんらしく、物語の構成は見事!登場人物も魅力的。特に遠藤母と辺見おばさんのコンビが良かったな〜。物語の軸は”救い”で、バックグラウンドは西遊記。困っている人を救うことは、とても難しい。けど、救うために何か行動を起こすことは(結果がどうあれ)素晴しいことであると感じた。2010/01/06

れいぽ

165
私の話→猿の話が交互に出てきて、五十嵐真の話に入る直前に「あー!こういう構成かー!」と納得。戻ってこない2つの身外身がマンガと小説をつなぐキーにも思えるので(漫画は未読)、プロローグのような形で少し触れておけば物語に入りやすかった気がする。この小説、孫悟空が重要な猿回しなのだろうけど、どうしても要素として唐突な感じがする。もちろん、話しは面白いんだけどね。2010/06/01

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