出版社内容情報
ままならない身の上で、艶やかに磨き上げられた妓女の恋を、中国歴史小説の俊才が鮮やかに描く傑作短篇集。
内容説明
紅い唇からこぼれだす真実の想い。水楼にたなびく管弦の音。風にこぼれる花の繚乱。ままならない身の上で、艶やかに磨き上げられた妓女の恋を中国歴史小説の俊才が鮮やかに描く傑作短篇集。
著者等紹介
井上祐美子[イノウエユミコ]
姫路市生まれ。神戸大卒。『長安異神伝』『桃花源奇譚』などで人気を博した後、本格的な中国歴史小説に取り組み、『桃夭記』で吉川英治文学新人賞候補となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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星落秋風五丈原
15
水楼にたなびく管弦の音。風にこぼれる花の繚乱。紅い唇からこぼれだす真実の想い。ままならない身の上で、艶やかに磨き上げられた妓女の恋を、中国歴史小説の俊才が鮮やかに描く傑作短篇集。2007/03/07
深青
13
中国の妓女を主役にした短編集。どの女性も誇り高く美しかった。どのお話も良かったけれど「歩歩金蓮」が好き。2015/04/07
アカツキ
10
妓女を書いた7作品の中国時代小説短編集。特に好きなのは、天子がお忍びで通う大胆不敵な名妓「歩歩金蓮」。仲間想いの鉄火娘「牙娘」も素敵。卑しいとされる妓女でも矜持はあるという格好良い女性の話が多いだけに、人を不幸にする禍水の相を持つ女「背信」に登場した妓女に嘆息。けれど、作り物めいたよくできた女性が並ぶなかで一番人間らしいと言えるかもしれない。2022/11/01
Stella
3
過去の中国王朝における娼妓たちを題材にした短編集。各短編との関連性はない。小気味がいい「牙娘」、水滸伝の李師師とは別の物語な「歩歩金蓮」など。「名手」のラスト4行目で「こうくるか!」と思った。2010/02/16
灯子
2
妓女や妓楼を題材にした話ばかりだが、どの話もとても綺麗。誇り高く生きる妓女達はとても素敵。歩歩金蓮がいちばん好きかな。2013/04/29