棟梁たちの西洋館―文明開化の夢とかたち

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  • サイズ A5判/ページ数 126p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784120035166
  • NDC分類 523.1
  • Cコード C0052

出版社内容情報

文明開化とともに広まった洋風建築。中でも棟梁たちが作った西洋館が面白い。彼らが持ち前の腕とセンスを生かして作り上げた建物には、随所に独創的アイデアが光り輝いている。

内容説明

西洋館を覗いてみれば文明開化の時代が見える。

目次

役所・病院(新潟運上所・裃で正装したサムライ;群馬衛生所・華麗にして上品 ほか)
学校(開智学校・上にはエンゼル、下には龍の大傑作;中込学校・世界に視野を広げる太鼓楼 ほか)
ホテル(日光金谷ホテル・過剰なまでのジャポニカ;箱根富士屋ホテル・西洋の機能、和の装飾 ほか)
宗教施設(紐差天主堂・ゴシック風の本格建築;日本聖公会奈良キリスト教会・数寄屋造りの聖堂 ほか)
邸宅(ジェーンズ邸・唐破風を反転させたスクリーン;土井八郎右衛門邸・山林王の豪壮なる館 ほか)

著者等紹介

増田彰久[マスダアキヒサ]
1939年、東京生まれ。写真家。兵庫県立芦屋高校、日本大学芸術学部写真学科を卒業。大成建設を定年で退職後、増田彰久写真事務所を主宰。日本写真家協会、日本写真協会、日本旅行作家協会会員。早稲田大学講師。明治・大正・昭和戦前に建てられた日本の西洋館を撮り続ける。第33回日本写真協会賞年度賞、第9回伊奈信男賞などを受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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ごま

12
明治時代の中央集権により役所が増加。岡っ引きから警察署、寺子屋から学校というふうに、日本各地で洋風の建物を急いでたくさん作る必要があった。しかしそれらは貴重な外国人技術者や建築家の力を使うことはなく、代わりに当時の大工や棟梁にスポットを当てることに。なるほど、それまで神社仏閣を手がけてきた彼らが地方の官庁、学校を任せられ、和洋折衷のような面白い西洋館が建ったと言う訳。著者はそのような建築物が大好きだそうだ。オールカラーでないのが残念だが楽しめた。青森県の盛美館にはぜひ行ってみたい。2015/06/10

misui

12
文明開化に際してまず形から西洋を導入しようということで大工の棟梁が腕を振るったところ、見様見真似ですごいものが出来上がった。擬洋風とか開化式と呼ばれるこれらの建築は、明治の中央集権化にともなって役所・病院・学校を中心に試みられ、本格的な様式建築の導入へと続く。いわば過渡期の建築で、大工の腕で無理やりに西洋を再現しているので独特の魅力がある。どころか、自負さえ感じられて清々しいほどだ。写真でも伝わってくるこの異様さはぜひ現地で体験してみたい。2014/11/03

よね

6
文明開化に合わせて日本各地で宮大工や棟梁らによる「擬洋風」の建物がつくられた。洋館でも和風建築でもない絶妙な雰囲気のそれは、棟梁達の自由度が高くて工夫も面白みもたくさん詰まっているまさに作品のよう。その後すぐに本格的な西洋館が広まっているので、過渡期の建築物はなおのこと貴重で面白い。 山形の済生館、奈良の宝山寺獅子閣は落ち着いたら是非行ってみたい。2021/08/17

ビシャカナ

2
まずタイトルがいいではないか。解説も著者の明治の棟梁たちに向ける暖かみある敬慕の念がいい。そして棟梁たちが建てた建築はいずれもどこか朴訥とした温もりがあって自分の好みだった。西洋を拒絶するでも融合するでもない、昔ながらの確かな腕と、新しいものへの好奇心で楽しみながら西洋をものにしていく、今の時代にも通じる学ぶべきやり方がそこにある。ただ図版が少なくモノクロばかりなのが玉にキズだった。2014/02/24

さとう

2
フルカラーで見たいなー。楽しかった!2013/03/02

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