中公叢書
近代日本の詩と史実

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  • サイズ B6判/ページ数 313p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784120033131
  • NDC分類 910.26
  • Cコード C1095

内容説明

詩と史実は連続している。一九九五年の神戸の大地震の後、自分でも文章の書き方が変ったと思う。事物の洗礼を経たからである。詩といい、史実といい、同じ一つの世界の異なる切り口であると見る視野が開けた。そうした切り口から近代日本の文学的な事件現場のいくつかを再現して、この評論集にまとめた。

目次

江戸の近代―石川淳『文林通言』を手がかりにして
書字の幕末維新
考証随筆の想像力―幸田露伴の一面
大団円から未完まで―小説ジャンルの文学史と文学論
史伝と情念―森鴎外の「夜思」をめぐって
子規のナショナリズム―短歌と日清戦争
水と放蕩―永井荷風の情痴文学
『細雪』の廃墟―谷崎潤一郎の風土
史実の肉声―大岡昇平『堺港攘夷始末』をめぐって
幕末国学と三島由紀夫〔ほか〕

著者等紹介

野口武彦[ノグチタケヒコ]
1937年、東京に生まれる。62年、早稲田大学文学部卒業。東京大学文学部に転じ同大学院博士課程中退。神戸大学文学部教授を経て著述業。主な著書に『谷崎潤一郎論』(亀井勝一郎賞)、『江戸の歴史家』(サントリー学芸賞)、『「源氏物語」を江戸から読む』(芸術選奨文部大臣賞)、『江戸の兵学思想』(和辻哲郎文化賞)などがある
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