中公叢書
自由と秩序―競争社会の二つの顔

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  • サイズ B6判/ページ数 252p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784120031687
  • NDC分類 331
  • Cコード C1033

内容説明

経済思想・労働経済学の第一人者が一元的なシステム礼讃を批判し、「自己統治」の必要性を提唱する。

目次

1 民主制をめぐって(リベラル・デモクラシーをめぐる5つの論点;リーダーシップの衰退;日本国憲法と経済政策)
2 市場経済の力と限界(競争社会の二つの顔;視野の短期化と公共の利益;市場経済を中間組織で補完する)
3 戦後日本の合理主義(高等教育と経済学;古典の喪失と知性の衰弱;ドイツの場合―その多様性と連続性)
4 国際社会の中の日本(グローバリズム―日本にとって何が問題か;言論の役割;言語の役割;アメリカ・ヨーロッパ・アジア)

著者等紹介

猪木武徳[イノキタケノリ]
1945年生まれ。京都大学経済学部卒。マサチューセッツ工科大学大学院博士課程修了。現在、大阪大学教授、国際日本文化研究センター教授(併任)。87年に『経済思想』(岩波書店)で日経経済図書文化賞・サントリー学芸賞を受賞
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

日の光と暁の藍

6
猪木武徳という人は非常にバランス感覚のある経済学者だという印象を持った。自由経済の過度の競争は様々な弊害をもたらす。「経済競争を否定した計画経済システムも、その逆の一元的な競争システムも、いずれもそれだけで人間社会に秩序と平和をもたらすことはない」(84)。市場経済は「利己心の無制約な発現、私的生活への限りない没頭、公的な事柄への無関心に支配されやすい」(112)。市場社会における私的利益と公共の福祉は必ずしも一致しないため、中間組織により補完せよという。だが本当に権力を持てる中間組織は実在するだろうか。2020/12/06

中川采美

3
登下校のバスの中だけは日本語読むことにしたので、ゆっくり読み進めました。やっとこさ読了。 オルテガが出てきた!読んだことのある本が出てくると親近感が湧くし、嬉しい。それに、著者のその本に対する考えが、自分の考えているものとちょっと違ったりするとまた楽しい。もう一回オルテガ読みたいな。 山田風太郎氏のエッセイからのリーダーに関する考察が面白かった。 EUのお話、ヨーロッパの統一に向けての昔の考えと今実際行われている動きの違いが、読んでいてほーっと思った。2016/08/24

denken

0
基本を押さえよう。2012/12/12

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