感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
バルジ
2
刊行から25年近く経ち、政治改革の帰結が「安倍一強」を生み出した今だからこそ、本書の時事評論は精彩を帯びてくる。90年代の「政治改革」賑やかりし頃の時評は今後の日本が採るべき国家構想を視野に入れた熱を感じさせるものであった。兎にも角にも90年代という時代状況においていかなる「空気」の中で政治改革が叫ばれたのか、本書はそうした空気感を感じることの出来る格好の書である。著者は政治改革の齎す果実を随所で語る。政治における「競争原理」の必要性を語るが、残念ながら政治改革は「競争」を齎さず安倍一強体制を作り出した。2019/12/07