内容説明
ある日突然、放浪の相場師と呼ばれた男から母に五億円が遺贈され、一家はばらばらに。僕の生まれは…、男の意図は…。家族の絆を取り戻すためサッカー少年の僕は真相を探りに乗り出した―。さわやかな長篇ミステリー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Ryuko
28
【再読】「親友 島崎くん」シリーズ。中学一年生の主人公の家に、5億円の遺贈の話がくる。昔かあさんが助けてあげた人の恩返しだという。その為に起こる騒動に巻き込まれる主人公一家。なかなか凝ったお話。父親の悪行は不問に付されているが、どうなんだろ。父親が浮気相手といるゴルフクラブに息子を迎えに行かせる母親もどうかと思う。この作品で一番心に残ったのはゴルフクラブのお姉さんの言葉「じっと我慢して、勉強なさい。学校を出たら、寮のある大きな会社に入りなさい。そしたら、親の離婚なんて、坊やの生活には関係ないわ」2019/01/27
チガ
18
ある家族の元に謎の大金が舞い込み、その大金を巡って家族がバラバラになってしまう。一人息子の雅男は友人の島崎とともに、真相を調べようとする。どんな真実になるか色んな想像をしながら読んだのですが、真実は予想とは違いましたね、良い意味です。読みやすかったです。2012/08/08
舟江
10
宮部作品3冊目（ペテロ→火車→）。 『火車』とのあまりの落差に後付を見たら、火車の１年前に書かれたものだった。 この後宮部は脱皮したのだと思った。 2015/10/09
Tanaka9999
9
明るい現代もの。展開が早くて一気に読む。5億円が遺贈されたゴタゴタの時点では、その後どうなるのかと思ったら、誘拐事件とは。でも明るく解決してしまいます。 本筋とは関係ないですが、1990年頃は、5億円の数か月の預金でも利子は言うに足りるぐらいついたのか。今は、それほどではないよなぁ、たぶん。 それにしても、直前の「伊集院モノ」の10年以上前の著作とは。伊集院さんのは過去の比重が大きいというのはあるのだけど、それにしてもこちらの方があたらしく感じます。2019/07/07
海月
9
今までに読んだ作者の作品（長編）の中で一番読みやすかったです。ジュブナイルっぽい雰囲気で、ミステリとしては物足りなさを感じました。でも、作者の描く聡明で善良な少年は、こういう作品には合っているように思います。2013/08/07
