出版社内容情報
デビュー以来の小説を著者が選び、テーマ別に編集。吉本文学の全貌を全4巻に集成した決定版作品集。
永遠の別れ。残された者の想い。生の実感と喜びのゆくえ。八七年のデビュー作「キッチン」を初め、「満月――キッチン2」「ムーンライト・シャドウ」「N・P」「ハードラック」書下ろし短編小説「野菜スープ」を収録。「わかってはいるけれど、決して慣れることはないこと、それが死です」(著者あとがきより)
内容説明
デビュー以来の小説を著者が選び、テーマ別に編集。吉本文学の全貌を全4巻に集成した決定版作品集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アキ
5
中編集『キッチン』掲載の『ムーンライト・シャドウ』を再読。亡くした者を思う心の淵の深さと、「それでも」人は生きてゆく・・・その覚悟や思いの境地が胸に迫ります。 2012/01/17
fishdeleuze
4
吉本ばななの「死」をテーマにした自選選集。死をテーマにしていない吉本ばなななんてないでしょう?というくらい死は彼女にとって大きなテーマだが、このアンソロジーに収められているのは比較的初期の作品が多い。「キッチン」「満月――キッチン2」「ムーンライト・シャドウ」「N・P」「ハードラック」そして書下ろし短編小説「野菜スープ」。これら初期の作品は今読んでも独特の透明感と透徹した死への視線、そしてわたしたちは今ここに生きているというどうしようもない事実が描かれている。個人的にはこのあたりの時期がとても好き。2012/09/06
☆ acco ☆
2
死が日常にひっそりしっかり佇んでいる感じが好き。2013/03/21
がぼ
2
吉本ばななはこれが初読。 非常に読みやすくて、甘やかな~や、ここはベストだ、といった具合にユニークで面白い表現が多い印象。 死がテーマだっただけにしんみりした話が多かった。 彼女の話はもっと色々と読んでみたい。2012/04/04
ひらひら
1
とても気持ちのいい言葉ばかり。ずっと心地いい。かと思えば、同時に心臓を素手でぎゅうぎゅう鷲掴みにされている状態でもあるから不思議だった。心休まるようでいて実は包丁突きつけられてる、みたいな。2018/09/08