内容説明
アウシュヴィッツの衝撃『森と骨と人達』、奇妙なセンミツ屋『ユーモレスク』戦中・戦後の混乱の中の青春を描いた半自伝的長編『青い月曜日』ほか。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あかふく
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アウシュビッツ訪問やベトナム戦争取材などをしながら書かれた小説群。この時期から「遠心力」によって書くのではなく「求心力」によって書くことが目指されだす。回転のイメージを使って執筆を語る開高だが、それは生においてもつきまとったイメージだった。人々が倦怠して見えるのは「回転する独楽が静止して見える」のと同じだ、と言う。この回転を目指すため、本当に驚くために開高は海外へと行くわけだが、結局「それだけだった」と言うように、「円の破れ目」は訪れない。またもう一つは戦争下において「事実」という言葉が連呼されたことも。2013/09/29