出版社内容情報
読める、わかる――21世紀の小林秀雄。
批評家も、小説家と同じように、創造的な〈作品〉を書くのだ。では、何を、どう書くか――。昭和12年35歳、決意を語る「文芸批評の行方」。他に「菊池寛論」「『悪霊』について」「戦争と文学者」など。
内容説明
批評家も小説家と同様に、創造的な“作品”を書くのだ。では、何を、どう書くか―。昭和一二年三五歳、決意を記す「文芸批評の行方」。そして“作品”、「『悪霊』について」。
目次
ドストエフスキイの時代感覚
菊池寛論
J・M・マリィ「ドストエフスキイ」2
大学の垣
戸坂潤氏へ
事件の報道
湯ケ島
「中央公論」二月号
ジイド「ソヴェト旅行記」1
草津行―スキー・カーニヴァル記〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
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再読。短い文芸時評などが多い。興味深いのは「日本的なるもの」の問題を「純粋小説」「ヒュウマニズム」「行動主義文学」などと並列する問題(=「様々な意匠」)と捉えていることだろう。問題は、「政治」的問題ではなく、極めて自己証明=「文学」的な問題として捉え返すことで「日本的なるもの」がどこまでいっても「反動的というよりも寧ろ逆説的」なものであると指摘していることである。ある意味では、小林の人民戦線の試みが挫折した理由も、またそこにある。2023/08/13
MatsumotoShuji
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