内容説明
二・二六事件に材を取った「憂国」、心境小説「荒野より」等、人間存在の諸相を描き尽くした三島短編の総決算21編。付・初収録の“参考作品”26編、創作ノート5編。
感想・レビュー
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uburoi
1
この巻には「参考作品」という一連の作品があってこれは書きかけて筆を止めてしまったり一部原稿が紛失して不完全だったり他の作品の異的な個人全集として徹底した編集ぶりが見られるのだ。多くは下書きなのだろう。中の「無題」は三島自身のつもりか文学をめざすませた少年の恋と彼の家族の年代記を並行して綴ったもので途中で終わってしまうのが残念と感じた。「憂国」「剣」「英霊の声」といった代表作をふくめた1冊。「三熊野詣」の教授のモデルが折口と知って俄然興味が沸いて読めた。2023/10/08
Tsuyoshi
1
再読。「三熊野詣」を読みたくて図書館で借りたもの。短編集「三熊野詣」に収録された短編を、本人は「私の今までの全作品のうちで、もっとも頽廃的なものであろう」と言っているけれど、僕はまさにその四編が短編としては一番好きなんだな。文体の完璧な美しさと、全体の皮肉な雰囲気といったら!2017/10/02
MatsumotoShuji
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020720