出版社内容情報
「24時間テレビ」から「やまゆり園事件」まで、タブー一切なし、本音度一〇〇%の障害者論。
内容説明
往々にして世間は障害者を汚れなき存在のように扱う。一方で、表には出てこないが、「厄介者」扱いする人もいる。そんな両極端の捉え方ってなんかヘンじゃないか―身体障害者芸人として二十余年活動してきた著者は、偽善と健前を痛烈に嗤い、矛盾と盲点を鋭く衝く。「24時間テレビ」「バリバラ」「乙武氏」「パラリンピック」から「やまゆり園事件」まで、本音度一〇〇パーセントで書き尽くした、前代未聞の障害者論。
目次
1 「タブー」を考える
2 「タテマエ」を考える
3 「社会進出」を考える
4 「美談」を考える
5 「乙武氏」を考える
6 「やまゆり園事件」を考える
7 「本音」を考える
著者等紹介
ホーキング青山[ホーキングアオヤマ]
1973(昭和48)年、東京都生まれ。先天性多発性関節拘縮症のため、生まれたときから両手両足は使えない。94年、お笑い芸人としてデビュー。ライブを中心に活動中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
s-kozy
67
特別なことではないのに障害者が特別視(「聖人君子」か「厄介者」)されている現代日本の現状を著者は憂える。それを変えて行くために健常者もだが、障害者こそ心を開き、多くの人の理解を得るようにするべきだと主張する。この基本的な考え方には多いに賛同できた。「こういう考え方もある」「こんなことを言っている人もいる」と多くの人に知ってもらいたいなぁ。この本はタイトルが秀逸。内容は「(健常者に向け)障害を考えろ」「(障害者に向け)考えろ、障害者」ということか。2018/06/26
naginoha
60
車いす芸人ホーキング青山氏の歯に衣着せぬ物言いで、障害者の社会参加について真剣に考える作品。最近、無人駅に車いすの人が事前連絡なしに行った時の対応が悪いとネットに書き込んで逆に炎上した件を見ているうちにたどり着いた本です。障害者も、障害を除けばただの人。それこそいろんな人がいる。障害そのものは決して「個性」ではない。きれいごと、感動ポルノに対しての違和感。障害者と健常者、両方の立場を理解して、何が最善かを考える姿勢に好感を持った。読んでるこちらも気づいたら色々考えていた。まとめはシンプルながら深い。4/52021/04/21
GAKU
50
身体障害者芸人であるホーキング青山氏が書いた「障害者論」。芸人ではありますが内容は至って真面目。7章から成り、「24時間テレビ」、「パラリンピック」、「乙武氏」、「やまゆり園事件」等々を障害者目線から、今までタブー視されていたような事にも触れ、忌憚のない意見が書かれています。著者自身「障害者も人間ですから、健常者と同じように人それぞれです。」と述べているように、この1冊だけで障害者の人達ってこうなのだと一括は出来ないが、それにしても健常者である私からは想像もつかない意見、考えを知ることが出来ました。⇒ 2021/08/24
ぼのり
37
著者(お笑い芸人のホーキング青山さん)自身が障害者だからこそ語れる内容が盛り沢山!健常者に対し思っていることはもちろん、障害者のことも客観的に分析し、健常者が言いにくいこともズバリと言っていて的を得た意見ばかり。子供の頃、学校などで「障害者の方がいらしたら手助けしてあげましょう。」と教わった気がする。でもそれは「障害者は健常者より劣ってるから困ってる。」と決めつけ差別してる証拠なのかも…と改めて気付かされた一冊。どうした方がいい、という結論はないけど、先ずは「知る」という事が最も重要!(2019-072)2019/03/19
gtn
32
障害者に対するタブーと建前、24時間テレビの美談の背景、乙武氏、やまゆり園事件等を通じ、偽善と偏見を正そうとする著者。結論として、障害者を同じ人間として扱えと訴えるが、その方法は単純ではなく、本書を読まないと機微が分からない。しかし、著者自身重度障害者として現実に揉まれているが故に、その主張は全面的に正しい。障害者以外の人物の意見は感想や想像に過ぎない。2020/03/21