新潮新書<br> 家裁調査官は見た―家族のしがらみ

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家裁調査官は見た―家族のしがらみ

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  • サイズ 新書判/ページ数 206p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784106106767
  • NDC分類 367.3
  • Cコード C0211

出版社内容情報

人生最凶の人は、肉親だった。家庭に巣食う「しがらみ」の正体を明かし、個人の回復法を示す実例集。重い、厄介、でも逃げられない。妄想に囚われた夫、願望に取り憑かれた母、家族神話に?れた兄弟――人生最凶の人は肉親だった。家族問題のプロが「しがらみ」の正体を明かし、個人の回復法を示す実例集。

村尾 泰弘[ムラオ ヤスヒロ]

内容説明

妄想に囚われ、妻の浮気を責める夫マサヨシ。単純な嫉妬と見える振る舞いには、本人も気づかぬ深層心理が絡んでいた―。地道な調査とカウンセリングを武器に、家庭裁判所調査官は家族問題の現場へ踏み込む。誰にも起こる感情転移、知的エリート女性の挫折と暴力、「家族」代わりの薬物使用、「家族神話」のダークサイド…。十八の家庭に巣食った「しがらみ」の正体を明かし、個人の回復法を示す実例集。

目次

第1章 感情転移という「怪物」(「雑魚寝事件」の急展開;「母が重たい症候群」「娘が遠い症候群」 ほか)
第2章 知的エリート女性の挫折と暴力(最悪な夫と別れない妻;DVのサイクル理論 ほか)
第3章 薬物は「家族」の代用品(薬物乱用少女マキコ;「手の掛からない子」の反動 ほか)
第4章 「家族神話」のダークサイド(どの家にもある「家族神話」;「父親が暴力をふるうかもしれない」 ほか)

著者等紹介

村尾泰弘[ムラオヤスヒロ]
1956(昭和31)年大阪府生まれ。横浜国立大学大学院修士課程修了。家庭裁判所調査官として離婚や少年非行など多くの家族問題に関わったのち、立正大学社会福祉学部教授。臨床心理士・家族心理士としても活動する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ネギっ子gen

37
地道な調査とカウンセリングを武器に、家裁調査官は家族問題の現場へ踏み込む。誰にも起こる感情転移、エリート女性の挫折、「家族」代わりの薬物使用、「家族神話」のダークサイドなど。17年間家裁勤務の臨床心理士が、個人の回復法を示す実例集。【テーマは家族のしがらみ】<しがらみという言葉は、通常、まとわりつくものというネガティブな意味で使われるが、元来「柵(しがらみ)」は、川の勢いをゆるめて我々の生活を守るものだった。その意味で、家族はまさに本来の意味でしがらみでなければならない/守りとしてのしがらみに変える>。⇒2021/09/18

のんすけ

34
家裁調査官という仕事を知らなかったこと、さらにはそこでソーシャルワークを実践していたことを初めて知りました。罪を犯した非行少年や調停に呼ばれたご夫婦の問題が、実はそれらの人が育った家庭にもその根があったこと、問題解決に家族関係の修復がとても大切なことがわかりやすく書かれています。自分の行動も含め反省もしつつ、職場などでも活かせそうな考え方、参考にします。図書館本。2017/02/27

kawa

22
知り合いが調査官をやっているので、ちょっと覗き見感覚で手に取った。しかし、内容は濃厚でびっくり。例えば、厳格な親の子が非行に走る原因には、親の心の影・負の意識が影響している例が多い等ショッキングだが、なるほどと感ずる記述が多数。家族関係を振り返るためにお薦めの一冊だと思う。偶然、直前に読んだ「犯罪小説集」や「ポイズンドーター・ホーリーマザー」に描かれる家族関係を筆者に解説してもらいたい気分。2016/12/15

大泉宗一郎

19
人間関係の歪みを背負ったまま家族に憩いを求めることができない少女、良き親でありたいという焦燥感から児童虐待に走ってしまう母、過保護のしがらみから逃げるために犯罪に手を染めてしまう少年。彼らに共通しているのは、彼らの家族全体が負のサイクルに陥っているということ。この悪循環を断つために行われるのが、心理学的なアプローチと関係改善のためのちょっとした工夫であり、本書のほとんどがそれらに対する言及に占められており、思っていた本とはすこし違ったが、さらっと学べる心理学の本としては読みやすく、面白かったと思う。2017/03/08

もちもちかめ

17
家裁調査官とは初耳でした。凄い仕事。心から尊敬します。女性の初犯は35から45才くらいが多いらしい…まさにど真ん中世代。事実は背景の物語によって意味が違ってくる。劣悪な保育所に息子を預けていて、怪我をさせられたので入院。[あんなところに大事な息子を預けてしまった駄目な酷い母親だ。息子に申し訳ない。]これは、[酷い保育所だったけれどお母さんがあなたを救って入院させたの。だから怪我もなおって今、元気に小学校に通ってるのよ。]という物語に変えた方が、息子さんにとってどれだけ勇気を与えられるか。2016/10/23

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