新潮新書<br> イランはこれからどうなるのか―「イスラム大国」の真実

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イランはこれからどうなるのか―「イスラム大国」の真実

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  • サイズ 新書判/ページ数 239p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784106103841
  • NDC分類 302.263
  • Cコード C0225

内容説明

今、イランから目が離せない。核開発、開票不正疑惑、大統領の過激発言など、中東発のニュースを独占している。その非妥協的な態度ゆえに、国際社会から孤立しつつも、再建途上のイラクやアフガンを尻目に存在感は増すばかり。しかし、その実像はいまだ不透明なベールに包まれている。核開発の本当の理由、アラブへの近親憎悪、米国への秘めた想いなど、特派員としての取材経験をもとに「中東の大国」の本音に迫る。

目次

第1章 現代イランの生活をのぞく(花咲くパーティー文化;ネクタイ姿は西洋かぶれの今昔;厳格な服装取り締まりの是非;チャドルとミニスカートのあいだ;「みだらな姿」を定義すれば;女性はサッカー観戦禁止;抗えない「分化侵略」;コネ社会で口コミ社会)
第2章 「ペルシャの誇り」をひと皮むけば(映画『300』は政治宣伝か;イスラムか、ナショナリズムか;アレキサンダーは「侵略者」;「白人」のイラン人と「黒人」のアラブ人;ペルシャ語辞書に「反省」はなし;ドバイに激しく嫉妬する;ペルシャ湾か;イスラエルは敵か?;中東の知られざる三角関係)
第3章 イランは本当に世界の脅威なのか?(シーア派=「イラン化したイスラム」;革命の輸出;たかがバーレーン;脅威論も民族の「肥やし」に;ヒズボラ支援の真相;自爆テロ舞台の虚実;イラクをにらむ;「大いらん」への野望;核エネルビーか、核兵器か;格開発の理由;不透明な政治システム;格武装への野望ありや?;「嘘は方便」はイランの常識;解決への秘策)
第4章 嗚鳴アメリカよ、もう一度…(テヘランのコカ・コーラ;実は、中東一の親米派?;アメリカ悪行博物館;大使館占拠人質事件;反米の原点;悲劇の主人公;アメリカともう一度やり直したい;「悪魔も態度を改めれば悪魔ではない」;屈折した愛情)
第5章 イランが抱える爆弾(イスラム体制の「危険因子」;「次期最高指導者」失脚の真相;最大のタブー;イランのアラブ人;クルド人とスンニ派)

著者等紹介

春日孝之[カスガタカユキ]
1961(昭和36)年生まれ。毎日新聞外信部編集委員。ニューデリー、イスラマバード支局などを経て09年10月までの四年間、テヘラン支局長。イラン報道がボーン・上田記念国際記者賞最終候補。著書に『アフガニスタンから世界を見る』(日本エッセイスト・クラブ賞最終候補)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

calaf

17
プライドの高い嘘つきガキどもの国家という感じ?プライドが高いので、アメリカへの憧憬の念を表に出せない。それが自己矛盾を生む嘘つきに繋がり、余計にアメリカをはじめとする欧米諸国から嫌われるという存在になっているようです。微妙で複雑な国家...2013/10/05

佐島楓

13
西欧文化への憧れ、複雑な対米感情、日本人には理解しづらい民族問題といった今まで知らなかったイランが見えてくる。先入観だけで物を見てはいけないと教わった気分だった。2011/12/03

小鈴

11
これは面白い。核問題で注目を浴びるイランだが、イランといえば中東でイスラム教くらいのイメージしかなかった人は目から鱗です。「イラン人」は古代ペルシャ帝国の末裔としての自負が強く、アーリア人と称し白人だと認識している。アラブ人を黒人と蔑視し、バビロンからユダヤ人を解放してやった歴史から、イランには中東最大のユダヤコミュニティがあるものの、反イスラエルなのだ。そんなイランの核開発、アメリカとの関係をリアルに分かる良書です。 2010/10/02

はち

8
悪の枢軸と呼ばれ、あまり良いイメージのない国。それでも現実的な国民性、興味深い。2010/12/22

Kent Kaseda

7
中東問題を考える上で、巨視的にはアメリカ-イスラエル-サウジアラビア-イランという4つの大国間でのパワーバランスが重要だと認識させられた。また、核問題の難しさが、イランの事例から良く分かった。本書の面白さは、筆者がイランでの生活を通じて実感した、イラン人の二面性や場当たり的な気質という面から、イランの国家政策を分析しているところだ。2017/06/22

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