内容説明
デタラメな言説は、ときに国を滅ぼす。医療問題の本質は、医師不足ではなく開業医優遇の制度設計にある。エコ精神とクールビズでは温暖化対策にならない。…環境・エネルギー、医療、教育、郵政改革、政治・行政の五つの分野にはびこる表面的で情緒的な政策論争の間違いを、データを駆使して様々な角度から明らかにすることで、これまで表に出てこなかった問題の本質をあぶり出し、本当に必要な政策を提言する。
目次
第1章 一人ひとりのエコで解決できるのか―環境・エネルギー(環境立国を阻む美しき精神論;外交でひとり負けだった京都会議;現実逃避の「チームマイナス6%」とクールビズ;世帯数の増加で家電の絶対数が増加;出遅れている次世代エネルギー戦争;環境・エネルギー問題を解決する三つの処方箋)
第2章 医師不足は本当か―医療(ただの風邪も診る大学病院;医師の偏在と患者のフリーアクセス;勤務医の過酷な労働と開業医の税制特典;質より量が優先される点数制;財政を圧迫する団塊の世代;医療問題を解決する四つの処方箋)
第3章 結果を問わない学習は、本当に教育か―教育(親の所得に左右される教育水準;改革を妨げる文部科学省という障壁;目標はあっても、達成は求められない現場;責任回避の組織としての「中教審」;教育問題を解決する三つの処方箋)
第4章 誰のための完全民営化か―郵政改革(「総論賛成、各論反対」の罠;第二の予算・財政投融資の行き詰まり;公的金融の縮小に巻き込まれた郵便;総務省下から財務省・金融庁下へ移った日本最大の金融機関;郵政改革を達成するための四つの処方箋)
第5章 官僚叩きで日本はよくなるのか―政治・行政(官僚を悪の代名詞にするメディアと政治家;大臣が自分の部下と闘う不思議;退職後に「天国」を渡り歩いて二億七〇〇〇万;お上が議会をくれた、二権分立の国・日本;政治制度を改革するための三つの処方箋)
著者等紹介
市川眞一[イチカワシンイチ]
1963(昭和38)年東京都生まれ。クレディ・スイス証券チーフ・マーケット・ストラテジスト。87年、明治大学卒業後、和光証券入社。94年クレディ・リヨネ証券入社。2000年に現在の会社に移る。小泉政権当時の構造改革特区評価委員他、公職も数多く歴任している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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