内容説明
「患者さま」という偽善に満ちた呼称を役人が押し付けたことで、医者は患者に「買われる」サービス業にされた…。医療にまつわる様々な偽善を現役医師が一喝する。「セカンドオピニオンのせいで患者と医者が疲弊する」「インフォームドコンセントは本当に良いことか」「有名人の癌闘病記は間違いだらけ」「病院ランキングは有害である」「安楽死を殺人扱いするな」―。毒と怒りと医者の矜持が詰まった問題提起の書。
目次
患者さま撲滅運動
消えてなくなれセカンドオピニオン
「有力者の紹介」は有難迷惑
安楽死を人殺し扱いしないでくれ
末期医療を巡る混乱と偽善
ホスピスケアはハッピーエンドか
最期は自ら決められるものなのか
「病院ランキング」は有害である
「告知」の無責任
○○すると癌になるというインチキ
間違いだらけの癌闘病記
インフォームドコンセントハラスメント
「がん難民」の作られ方
癌の「最先端治療」はどこまで信用できるか
贈り物は喜んで受け取るべきである
著者等紹介
里見清一[サトミセイイチ]
臨床医。専門は呼吸器内科学・臨床腫瘍学。東京大学医学部を卒業後、大学病院内科および公立病院救命救急センターなどでの研修を経て、平成二年から呼吸器内科とくに肺癌の診療に専門に従事。日本癌学会・日本臨床腫瘍学会評議員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
GAKU
55
このような本は作者によって主張が違っているので、所詮医療には素人の私が読んでも何が正しくて、何が正しくないのかは分かりません。なのでこの手の本を読むのはもうやめよう。つまらなくは無いけれど、特に面白いというわけでもないしね。2017/07/02
ひめ
22
人から勧められて勉強になると聞いて読んだ本。しょっぱなからの「患者さま」のお話に、とても傲慢さが感じられ、その印象のまま最後まで。なのであまり納得できなかった。ちょっと残念。本も人と同じで、第一印象というか、出会いって大切ですね。2015/09/29
みなず
8
一気読み。『第2章消えてなくなれセカンドオピニオン』に、納得して賛同。その他は、『見送ル』の方が、私にはわかりやすく読みやすかった。2015/05/18
ミスターチャイルド
5
臨床医が書いている文章なので、ところどころわかりにくい表現が見受けられた。ただ、その部分を度外視すれば、読んでみてタメになる本だと思った。特に、セカンドオピニオン、ホスピスケア、インフォームドコンセントなどのカタカナ系医学用語についてはかなり勉強になった。医療の最前線で働いていると、われわれのような患者からすれば想像もつかないようなことを医師はいろいろ考えているのだと理解できたし、読んだことで医療について少しでも歩み寄れたと信じたい。2014/11/29
もけうに
4
里見先生著作の中では結構初期のものだが、安定の里見節。医療素人があれこれ言えることは無いが、里見先生の主張は筋が通っているし、説明が上手いので説得力がある。倫理より人情。2022/04/03