内容説明
この国の土台が揺らいでいる。小泉政権の構造改革を継承し、突如瓦解した安倍政権、停滞し、綻び始めた国家の運営…いま、政治家に不可欠な判断の要諦とは何か、言葉と行動の重さとはいかなるものか。奇をてらわず、耳障りなことでも堂々と語る。文人の家系に生まれ、会社員から政治家に転身、度重なる落選やガンとの闘いまで、生涯を省察しながら、国の将来に深い想いをこめた初めての著書。
目次
第1章 三〇日間だけの官房長官
第2章 奇道の政治、小泉元首相の遺産
第3章 国家観なき市場原理主義の危険
第4章 落選三回、当選九回
第5章 政治家の王道
第6章 国家は割り勘である
第7章 霞が関埋蔵金伝説と「上げ潮」路線
終章 温かさと改革は両立する
著者等紹介
与謝野馨[ヨサノカオル]
1938(昭和13)年東京都生まれ。東京大学法学部卒業後、日本原子力発電に勤務。中曽根康弘秘書を経て76年に衆議院議員に初当選。文部、通産、金融・経済財政担当相、自民党政調会長などを歴任し、安倍内閣で官房長官を務めた。歌人の与謝野鉄幹・晶子は祖父母にあたる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mitei
203
消費税増税のために民主党政権でも財務大臣をしていたほど財政規律派の御方。そこまで目あたらしいものではなかったが政治への思いと与謝野晶子との関係が印象的。2010/02/08
Willie the Wildcat
25
現実主義であり、金融のSME・・・。ただし後者は、私の先入観だったかもしれない。(汗)「格差と格差感の違い」や、消費税率に関連しての「財布を2つにわける!」など、理論派の王道。印象深いのが、中曽根氏。直面する苦難にもめげず、守った派閥と一貫性。一方の著者。離党、結党、離党、復党・・・。(自民党が野党転落時の)中曽根氏の助言との対比が、どこか寂しい。2014/01/16
佐島楓
18
「日本人が熱狂の中で決めたことは大抵間違っている」「(戦争を知らない)若い政治家は困難な局面で判断を誤る怖れがある」など、日本のこれからを危惧する発言が目立った。黙って事を成す仕事人、というイメージは間違ってはいなかったようだ。2012/12/29
denz
2
現在の民主党政権の政策を方向付けた人物であろう。本書は、自身の生い立ちから、中曽根康弘、後藤田正晴、梶山静六、小泉純一郎、安倍晋三の各氏といった個性的な政治家たちのエピソード、そして今後あるべき政策を語っているが、あるべき政策に関しては明確には語っておらず、竹中平蔵氏を暗示する「市場原理主義」と中川秀直氏の「上げ潮派」への批判を通して語っている。インフレで設備投資が減るなど、首をかしげる部分があり、これが「永田町の政策通」か、という感想。また与謝野復権は安倍氏の進言があったというのは意外な事実である。2012/10/10
湘南☆浪漫【Rain Maker】
1
お亡くなりになってしまってから購入。 官房長官、30日しか務めてなかったのか…。 2017/11/08