内容説明
王室のタブーを暴露し、ベッカムを「スーパースター」に仕立て上げ、時には政権の行方をも左右する英国大衆紙。ネタを演出し売上げを伸ばすためなら、潜入取材、隠し撮り、やらせと手段を問わない。紙面には、大スクープと大誤報、ゴシップと偏見、政策論議とヌード写真までが、ごった煮のごとく詰まっている。読んでもちっとも賢くならないが面白すぎてやめられない、英国タブロイドの世界へご招待。
目次
第1章 これぞタブロイド魂!―王室潜入ルポと殺人者「名指し」報道
第2章 ダイアナは永遠に
第3章 「ベッカム様」の作られ方
第4章 奇人変人大集合―タブロイド小史
第5章 ブレアとマードックのアブナイ関係
第6章 権力を握ったタブロイド記者―アレスター・キャンベル物語
第7章 プロパガンダと大誤報―イラク戦争とタブロイド
著者等紹介
山本浩[ヤマモトヒロシ]
1963(昭和38)年京都府生まれ。大阪外国語大学卒。NHKに入局し、94~97年カイロ特派員、98~2003年ロンドン特派員
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
oldman獺祭魚翁
31
図書館でタイトルに惹かれて借りた本。新書というとタイトル倒れが多いが、これはタイトル通り中々面白い。日本では英国のタブロイド紙といえばゴシップとスキャンダルが専門の様に報道されているが、その一方で政府の方針や社会問題にも鋭く切り込んでいく部分も有る。王宮の召し使いとして潜入もするが、警察の人種差別を非難追求する。個別の政治家や政党を支持もするが、逆に徹底的に叩きもするのだ。しかもその考えをはっきりと打ち出している。その一方で堂々とヌードを載せる。本当に英国ならではといった新聞である。2018/01/02
ごへいもち
20
笑えた。イギリスのタブロイド新聞って本当にすごいなぁw2013/02/01
スズツキ
4
王室の召使いの見習いに応募して信頼をつかみ取った人物は記者だった。彼はその警備の脆弱さを新聞で大々的に公表、これによって王室の体制は見直されることになった……というどうしても前半の面白さのみが目立ったが、それなりに。日本ではとてもではないがこのジャーナリズムは真似できないだろうね。2015/08/28
Meistersinger
2
「マジメさ」「ムチャさ」に関しては、日本のゲンダイとかは及びもつかないなぁ。米Weekly World Newsは一時購読していたが、イギリスのも一度読んでみるかな2010/03/27
gleipnil
2
とっても楽しい読み物でした。ただ触れるだけでは多分つまらんと一蹴していただろう英国タブロイドを、生気と躍動感に溢れる群像劇に仕立てあげた作者の文才に脱帽。2009/01/03