新潮選書<br> 末完のファシズム―「持たざる国」日本の運命

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新潮選書
末完のファシズム―「持たざる国」日本の運命

  • 片山 杜秀【著】
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  • 新潮社(2012/05発売)
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  • サイズ B6判/ページ数 352p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784106037054
  • NDC分類 210.6
  • Cコード C0331

出版社内容情報

皇道派vs.統制派、世界最終戦論、総力戦体制、そして玉砕……昭和の軍人たちの戦争哲学を読み解き、近代日本に新たな光を当てる。

昭和の軍人たちは何を考え、一九四五年の滅亡へと至ったのか。 天皇陛下万歳! 大正から昭和の敗戦へ――時代が下れば下るほど、近代化が進展すればするほど、日本人はなぜ神がかっていったのか? 皇道派 統制派、世界最終戦論、総力戦体制、そして一億玉砕……。第一次世界大戦に衝撃を受けた軍人たちの戦争哲学を読み解き、近代日本のアイロニカルな運命を一気に描き出す。

内容説明

天皇陛下万歳!大正から昭和の敗戦へ―時代が下れば下るほど、近代化が進展すればするほど、日本人はなぜ神がかっていったのか。皇道派vs.統制派、世界最終戦論、総力戦体制、そして一億玉砕…。第一次世界大戦に衝撃を受けた軍人たちの戦争哲学を読み解き、近代日本のアイロニカルな運命を一気に描き出す。

目次

第1章 日本人にとって第一次世界大戦とは何だったのか
第2章 物量戦としての青島戦役―日本陸軍の一九一四年体験
第3章 参謀本部の冷静な『観察』
第4章 タンネンベルク信仰の誕生
第5章 「持たざる国」の身の丈に合った戦争―小畑敏四郎の殲滅戦思想
第6章 「持たざる国」を「持てる国」にする計画―石原莞爾の世界最終戦論
第7章 未完のファシズム―明治憲法に阻まれる総力戦体制
第8章 「持たざる国」が「持てる国」に勝つ方法―中柴末純の日本的総力戦思想
第9章 月経・創意・原爆―「持たざる国」の最期

著者等紹介

片山杜秀[カタヤマモリヒデ]
1963年生まれ。思想史研究者、音楽評論家。慶應義塾大学大学院法学研究科後期博士課程単位取得退学。慶應義塾大学法学部准教授。著書に『音盤考現学』『音盤博物誌』(ともにアルテスパブリッシング、この2冊で吉田秀和賞、サントリー学芸賞を受賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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まーくん

103
日本の近代史で余り重要視されてない第一次大戦。戦勝国側につき青島攻略などで余禄を得、五大国の一角を占めるが、これからの戦争は国家の資源を総動員する総力戦となることを学ばなかったという。が、軍の当事者は理解してないわけではなかった。「持てる国」と「持たざる国」。皇道派の理論家小畑敏四郎は「持たざる国」として身の丈に合った戦争を考え、足らざるところは精神力でとし、一応統制派とされる石原莞爾は、日本を「持てる国」にした後「持てる国」米国と世界最終戦争に臨もうとし、その手段として満州事変を起こした。2022/12/20

どんぐり

73
戦争の勝ち負けは兵員、装備、資源、生産力、技術力、労働力等の多寡で決まる。物が足りない日本はどうやって戦争を続けるのか。「持たざる国」の戦争は、鉄が足りなければ「天皇陛下万歳!」と叫んで、肉を弾にするしかない捨て身の精神主義。その拠り所は神がかった「皇道」だ。そのなかで「持たざる国」の日本が「持てる国」に変ずるにはどうしたらよいのか、満州を一大根拠地にすれば「持てる国」になれると考えたのが石原莞爾。日本を「持てる国」にしてから戦争にしようという統制派だ。日本陸軍を皇道派と統制派で思想史的に見る視点がなかな2018/08/02

Willie the Wildcat

58
神尾将軍の功績から宇垣軍縮の真実。兵力から火力・・・、”距離”の差異。対照的な『観察』の客観性が印象的。生産力の無さという客観性が、精神論に戻る故のアポリア。タンネンベルク会戦検証の苦悩が頭に浮かぶ。1928年に改定された『統帥綱領』、『戦闘綱要』が明示的な転機。加えて、”領はく”ではなく”知らす”の天皇制の実態。結果、本著題名。宮澤賢治から”無”に至る論旨。意味深。死はみこと、みことは貴。言葉遊びであり、矛盾を戦略とする愚。但し、後世故の戯言では済まない代償だったのではなかろうか。2016/10/24

びす男

42
第一次大戦を出発点に、太平洋戦争へと突入していった日本の軌跡を描き出した一冊。同じ著者の『国の死に方』という本を読んだことがあったが、内容が若干被っている。片山杜秀という人は、大風呂敷を広げて語るのが上手だ。細かい反例ならいくらでも挙げられるだろうが、筋が面白く、つい読まされる。結論は本人も上手くまとめきれていないが、つまるところ「どんなに合理的で鋭敏な人も、とんでもない間違いを起こす」ということと、「頭のいい人が考えたことは、必ずしもその通りに解釈されない」ということの二点だろう。あとで書評かきます。2015/02/09

kawa

41
日露戦後、大正・昭和の日本の軍部指導者層(特に陸軍中枢)が劣化していたとする批判、果たしてそれが妥当なのかを綿密に考察する良書。筆者曰く、「司馬遼太郎のように、明治まではよかったが日露戦争のあとの日本の政治家や軍人はヴィジョンもなく指導力もない者ばかり、と考えることもできなくはありませんが、しかし実はいちばん悪いのは明治のシステム設計だった」とし、それを「未完のファシズム」と称する。(コメントへ)2022/09/23

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