出版社内容情報
「星」の影響力はどこから生ずるのか。なぜ日本版はうまくいかないのか? 「タイヤメーカー」と「ガイド出版社」の両面から、その素顔を徹底解剖。
内容説明
「グルメのバイブル」として圧倒的な影響力を誇ってきたミシュランガイド。しかし、その権威は「食の国際化」の中で揺らぎ始めている。近年、アメリカ、日本、香港とガイド発行国を増やしてきたのはなぜか。その背景には、どのような経営戦略があるのか。トヨタ自動車とも比せられる「偉大なる地方企業」の内幕を、関係者への徹底取材で詳細に描き出す。
目次
第1章 三つ星狂想曲
第2章 素顔の調査員
第3章 劇場としてのレストラン
第4章 格付けの思想史
第5章 故郷を訪ねて
第6章 「王朝」の系譜
第7章 背を向ける人々
第8章 変貌するガイド
第9章 日本上陸
著者等紹介
国末憲人[クニスエノリト]
1963年岡山県生まれ。1985年大阪大学卒。1987年パリ第二大学新聞研究所を中退し朝日新聞社に入社。富山、徳島、大阪、広島勤務を経て2001~04年パリ支局員、05~07年外報部次長、07~10年パリ支局長。現在はGLOBE副編集長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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numainu
2
評価C2016/04/19
ポップ430
0
本家のガイドはよく使ってるけど裏を知るのに参考になった。2017/08/12
Daiji
0
ミシュランガイドが最初はフリーペーパーだったとは...驚き. また,なぜ東京版を出したのかは不思議だったが,誰しも様々な矛盾を抱えながらグローバル化していくのだなと妙に納得できる内幕も読めなかなか.2015/06/10
Witch丁稚
0
ミシュランは意外に社史が謎。地方のトヨタ的なメーカー。あくまでタイヤのためのガイド。タイヤの家系はしたたかに第二次世界大戦を生き抜き、ガイドの家系はナチスに反抗して強制収容所に送られた対比。皿の中の星と皿の向こう側の文化。食べることよりも大事なものが世の中にはあると信じていた80年代の日本人の若者。2014/10/25
shin1ro
0
初めて購入したフランス版は1989年版。「卒業旅行は本場の料理を食べにフランスへ行こう」と一念発起したのがキッカケ。当時のミシュランにはまだ威厳がありました。権威がありました。神秘がありました。それはまるで「2001年宇宙の旅」のMONOLITHのようでもありました。「寡黙」から「饒舌」へ、「ターブル(食卓)」から「キュイジーヌ(料理)」へ舵を取ったミシュラン。星はもはや「授ける」ものではなく「付ける」ものに。その転向ぶりは「クラフトマンシップ」から「ブランディング」に舵をきったモンブランとも重なります。2013/07/14