新潮選書
靖国神社の祭神たち

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  • サイズ B6判/ページ数 309p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784106036545
  • NDC分類 175.1
  • Cコード C0314

出版社内容情報

戊辰戦争の官軍戦没者から先の戦争のA級戦犯まで、二四六万余柱はなぜ祭神となっていったのかー。含祀基準の変遷から見えてくる「靖国」の真の姿。

内容説明

幕末・維新の国事殉難者を祀った東京招魂社に始まり、日清、日露両戦役、そして太平洋戦争に至る戦没者など、祭神の数は二四六万余柱にものぼる。主神は一社に一人が原則の中、これほど特異な神社は他にない。これまでほとんど論じられることのなかった合祀基準とその歴史的変遷に焦点をすえ、A級戦犯や女性たちの合祀事情にも立ち入ることによって、ヴェールに包まれてきた神社の全体像に迫る。

目次

第1章 東京招魂社の誕生―幕末・維新の殉難者
第2章 対外戦争の時代へ―日清・日露戦争
第3章 変わりゆく合祀基準―第二次大戦期
第4章 別格官幣社から宗教法人へ―終戦と占領
第5章 A級合祀の日―一九七八年十月
第6章 「薄れゆく体験と関心」のなか―そして将来は

著者等紹介

秦郁彦[ハタイクヒコ]
1932年、山口県生まれ。1956年、東京大学法学部卒業。ハーバード大学、コロンビア大学留学。プリンストン大学客員教授、拓殖大学教授、千葉大学教授を歴任し、2002年まで日本大学法学部教授。法学博士。1993年度菊池寛賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

mitei

219
政治的な背景から外れてる人がいたり、入れてみたりと複雑な靖国神社。本当はみんな静かに参拝できる環境が整うのが理想だけど、そうは行かないものだなと分かる。2019/10/03

mazda

30
細かいことを見ていくと、合祀基準があいまいだったんだな、ということがわかります。戦いで亡くなった、と言われても、自殺した方もいるし、病死の方もいるし、いろいろなので、そのあたりがきちんと整理されるのが望ましいのかな、と思いました。2014/09/09

CTC

13
10年新潮選書、初出は日大法学部の紀要連載。維新の官側殉難者を慰霊・追悼・顕彰する目的で創建された靖国神社(当初は東京招魂社)の、現代までの「祭神」を見てゆく。つまり誰が祀られ、誰が祀られていないか、だ。例えば…西郷さんや江藤新平ら“賊将”は、のちに名誉回復され“贈位”されるも、靖国には祀られていない。また岡田以蔵や…河上彦斎、中村半次郎といった“人斬り”の異名がある面々は、「品格に欠ける」と合祀されていない。ここまではまだ理屈があるが、外征以降は混沌。。典拠を細かく示しつつも、読み易く資料性が高い好著。2017/11/08

kokada_jnet

3
東京招魂社以来の「標準的な合祀」と。関係者の活動により事後に特殊に合祀された様々な例を網羅して説明。A級戦犯の合祀への流れも、詳述。2010/08/17

ユコリン

2
漸く読了。時間はかかりましたが、坦々とした記述で理解しやすかったです。合祀基準の曖昧さもさることながら、騙し討ちのようにA級合祀が行われたことに問題があると感じました。注釈の資料や索引の多さで読みたい本が増える一方です。2021/05/05

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