新潮選書
日本はなぜ貧しい人が多いのか―「意外な事実」の経済学

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 284p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784106036484
  • NDC分類 330.4
  • Cコード C0333

出版社内容情報

男女平等が「格差」を拡大させた! 日本は北欧より年金が充実している! 人口減少には農産物自由化が効果的! 統計データが通説を次々と覆す。

日本の地方にはなぜ、豪邸街がないのか? 本当に北欧は日本より年金制度が充実しているのか? 子供が減ると国力も衰退するか? 世界金融危機の影響はなぜ日本で大きいのか?経済政策、後期高齢者制度、少子化と人口減少、国際競争力、教育問題、年金制度についての通説や思い込みを、統計データと経済学的思考で「逆説的」に覆す。

【著者紹介】
大和総研常務理事チーフエコノミスト。1950年生まれ。1974年東京大学卒。経済企画庁国民生活調査課長、同海外調査課長、財務省財務総合政策研究所次長などを経て現職。主著に『日米関係の経済史』、『1970年体制の終焉』、『日本の失われた十年』、『都市の魅力学』、『日本の「大停滞」が終わる日』、『昭和恐慌の研究』(共著、日経・経済図書文化賞受賞)、『デフレはなぜ怖いのか』、『人口減少社会は怖くない』(共著)、『日本国の原則』(石橋湛山賞受賞)、『世界経済同時危機』(共著)など。

内容説明

日本の地方に豪邸街がないのはなぜ?北欧は本当に日本より年金制度が充実しているのか?人口が減少すると国力も衰退する?世界金融危機の影響はどうして日本で大きいのか?日本のエネルギー効率は断トツに高い?経済政策、少子高齢化、国際競争力、教育、年金制度について流布している通説を統計データと経済学的思想で「逆説的」に覆す。

目次

第1章 日本は大丈夫なのか
第2章 格差の何が問題なのか
第3章 人口減少は恐いのか
第4章 世界に開かれることは厄介なのか
第5章 経済の現状をどう見れば良いのか
第6章 政府と中央銀行は何をしたら良いのか

著者等紹介

原田泰[ハラダユタカ]
大和総研常務理事チーフエコノミスト。1950年生まれ。1974年東京大学卒。経済企画庁国民生活調査課長、同海外調査課長、財務省財務総合政策研究所次長などを経て現職。『昭和恐慌の研究』(共著、日経・経済図書文化賞受賞)、『日本国の原則』(石橋湛山賞受賞)などの著作がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ころこ

39
エコノミストの立場からマクロデータを使い、現在行われている経済、社会政策の背景にある社会の先入観を指摘し、新たな視点からより良く改善するための政策を提言している。第2章から第6章までにひとつずつ論点が割り当てられていて、タイトルの論点は第2章にある。日本はなぜ貧しい人が多いのかというと、日本の生活保護制度は受給者に手厚いが、限られた人にしか配られていないからだ。従来は公共事業によって配分を行っていたが、同じ社会安定機能を個人に直接配分することに置き換える必要があるのではないかという。第3章では人口減少では2023/11/26

さきん

14
地方は、経済力だけでなく中核となる人材が足りず、結束力も弱いように感じた。かといって東京も個人主義が強く、まとまりは強くない。地方の産業振興は、郷土に強い思い入れがあるリーダー及び組織、中央からは地方に積極的に投資しようという意志が必要だと思う。年寄りは、事務など肉体労働でなければ、まだまだ新卒や効率の悪い労働者よりも仕事はできると思う。少しでも不要な社会保障は何かを考えていきたい。2016/02/15

KAZOO

9
筆者はもともと官庁エコノミストですが、この中ではそこに囚われずに自由な観点から様々な論点を整理してくれています。もともとNIKKEI-NETの連載シリーズを6つの観点に整理しなおして読みやすくしてくれています。これを読んでいるとマスコミなどももう少し勉強してもらいたいと思われる記事やニュースばかりだということがわかります。2013/09/01

かみかみ

6
表題のテーマをはじめとして経済に関する疑問や通説について著者の見解を述べる形式の本。新聞記事がベースなだけあって、雑多なテーマを幅広く扱っている印象があった。日本の地方に豪邸が集まる地域がほとんどないゆえに地方議員や二世議員同士の競争がないという指摘は興味深い。消費税が増税されても社会保障費に使われないことを前以て見抜いていたのは見事だが複雑な思いが去来する。2022/02/12

日の光と暁の藍

6
「日本にはストライカーがいないのか」というサッカーのテーマから「グローバリゼーションは格差をもたらすのか」といった定番のテーマまで様々な通説をデータを元に検証していく本書。問題設定の切り口や議論の明快さが心地好い。興味深かったのは、日本の地方に豪邸街がないという指摘。豪邸同士の競争が地方政治家や二世議員同士の争いを海外では生んでいるが日本にはそれがないという。これは東京一極集中の原因でもあると述べる。公務員の相対賃金が高ければ、ビジネスに人材が集まらず地域の経済発展は起こりうるはずがないとの指摘には納得。2021/05/04

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/577385
  • ご注意事項