内容説明
米国オバマ大統領の誕生でイスラーム世界は変わるのか?イスラーム思想とテロリズムはどのように結びついているのか?パレスチナ、イラク、エジプト、レバノン、シリア、イラン…次々と火を噴く「中東問題」の深層を、最新情勢から歴史的背景まで掘り下げて、構造的に解き明かす。イスラーム世界と中東政治の行く末を見通すための必読書。
目次
「アラビーヤ」がもたらすアラブ・メディアの対立軸
国民議会選挙に向かうイラク「恐怖」との戦い
イランとシーア派の影響力を精査する
混迷のレバノン史に新たなページは開くのか
「アラブの発展モデル」エジプトが試される時
アメリカ憎悪を肥大させたムスリム思想家の原体験
イラク史に塗り込められたテロと略奪の政治文化
エジプトとシリア立憲主義を骨抜きにする「緊急事態法」
イギリスの多文化主義を揺るがす「寛容のジレンマ」
イラク憲法草案の文言に込められた政治的配慮〔ほか〕
著者等紹介
池内恵[イケウチサトシ]
1973年、東京都生まれ。東京大学先端科学技術研究センター准教授。東京大学文学部イスラム学科卒業。東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得退学。日本貿易振興機構アジア経済研究所研究員、国際日本文化研究センター准教授を経て、2008年10月より現職。著書に『現代アラブの社会思想』(大佛次郎論壇賞)、『書物の運命』(毎日書評賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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鯖
22
2004年~9年あたりまでの池内先生の雑誌フォーサイト連載のコラムをまとめたもの。池内先生のサイトのコラムと似たつくり。しかしまったく進歩していないどころか悪化しているわけで…。 アラブ知識人がアメリカ女性を堕落していると激烈に批判する文章が入ってたんだけど、いやそんな肉欲的なこと書いたら神様怒るんじゃね…ってなった。エロ本を批判する文章が一番エロいやつ。東南アジアのイスラム国は本家本元アラブのイスラム国からは見下されてるというのはまあ…。キリスト教でもそうだろうし、日本の仏教も変容してるしなあ。2024/01/23
中島直人
7
時事的なトピックスに対するバランスの取れた分析を集めたもの。表面に現れている部分だけではなく、歴史的な背景、文化的な側面まで踏まえることで、より深い理解を目指しているところが共感出来る。但し、テーマが分散しているため、何の知識も意識も無いまま読んでしまうと、読後何も残らないかも。2014/05/18
可兒
4
別の人が書いた中東本も呼んだ方がいい気がする。そういう癖の強さを感じた2011/11/20
K.C.
2
2004年暮れから2009年までの連載を単行本化したもの。電子書籍化を機に読む。当然ながら今の中東情勢はそれから動いているわけだが、その源泉とまで行かずとも、巻き戻して見直すという点で勉強になった。2023/08/18
hata2
1
中東が一筋縄ではいかない事がよく分かる。2020/03/31