内容説明
東欧移民二世の小男。結婚三回で妻は奔放なスーパーモデル。酒を呑まず、文化にも興味なし。私生活は世にさらし、公衆の面前で平気で他人を罵倒する―。サルコジは、従来のフランス大統領像をことごとくくつがえす。「ストーリーテリング」というマーケティング技術を活用し、大衆の視線を常にひきつけるその政治手法を、気鋭のジャーナリストが解き明かす。
目次
序 命をかけた演出
第１章 皇帝サルコ一世
第２章 気まぐれファーストレディー、セシリア
第３章 カーラ・ブルーニ登場！
第４章 狙われた野党
第５章 露骨なメディア操作
第６章 権力を握るまで
第７章 紡がれた物語
第８章 ストーリーが政治をつくる
著者等紹介
国末憲人［クニスエノリト］
１９６３年岡山県生まれ。８５年大阪大学卒。８７年パリ第二大学新聞研究所を中退し朝日新聞社に入社。富山、徳島、大阪、広島勤務を経て２００１～０４年パリ支局員。外報部次長の後、０７年からパリ支局長（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mitei
29
サルコジっていうのがフランスの大統領でムチャクチャなやつだというのは報道でも知っていたが、本書ではさらにムチャクチャな人物だと知った。おそらく日本の首相だと在任期間最短記録更新達成も不可能ではないと思えるｗしかしれっきとしたフランス大統領であり、国民の多数から選ばれた事実は変わらない。日本にもスキャンダルや失言などだけで辞職しないような政治が必要だと思う。2011/05/16
中島直人
6
（図書館）やっぱりトランプと重なる。やり方も見え方も、そっくりだと感じてしまう。民主主義の限界が見えてきているということか。2023/04/06
ひじり☆
5
フランスの大統領サルコジさんはかなり派手な方。結婚三回。妻はスーパーモデル。酒を飲まず文化に興味なし。私生活を世間にさらし、公衆の面前で平気で他人を罵倒する。 自らの命をかけた珍しい政治家。幼稚園児21人人質事件, 犯人は21億円要求。腰にダイナマイト巻きつけたヒューマンボム事件。命をかけて子どもたちを救う。2016/12/03
中島直人
5
サルコジはブッシュ（ジュニア）やブレアを教師としオバマを弟子とする、政治にマーケティング手法を取り入れたストーリーテラーと位置づける作者の視点に興味を惹かれる。イタリアのベルルスコーニや恐らく日本の小泉純一郎（そして二期目の安倍首相も）も同じ系統の政治家ということになるだろう。全く中身の無い政治とこき下ろす作者の見解を聞いていると、日本のみならず、世界の政治はどうなっていくのかと本当に不安になる。2013/07/14
もさ
5
言いたい放題やりたい放題もセレブチックな生活や女性問題も大衆の支持を得るための計算のうえ。幼稚園立て籠り事件を解決しスーパーモデルと結婚して､さらにマスコミをも傘下に治める。サルコジ凄すぎだろ。大統領戦に負けたサルコジが今後どのようなストーリーを見せるのかニュースの見方とマーケティング考えが変わる一冊だった。2012/12/30
